だから8割ウソなんだってば。
日記・たわごと・自作小説・二次創作…好き勝手にやっております。
おしながき。
「だから8割ウソなんだってば。」はミズマ。による日記・駄文・日記・タワゴト・日記等の置き場です。
ええ、主に日記なのです^^; がんばってテキストを増やしていきたいと……思ってはいますよ?
そしてテキストはラブ率が非常に高い。なぜだ。
日々精進させていただきます。
宜しくお願いしますねー。
あ、著作権とか主張した方がいいのかな? そんなわけなので主張します。
なんかあるときは一言下さいませ。
コンテンツは長いのでしまいます。追記からどーぞー。
ええ、主に日記なのです^^; がんばってテキストを増やしていきたいと……思ってはいますよ?
そしてテキストはラブ率が非常に高い。なぜだ。
日々精進させていただきます。
宜しくお願いしますねー。
あ、著作権とか主張した方がいいのかな? そんなわけなので主張します。
なんかあるときは一言下さいませ。
コンテンツは長いのでしまいます。追記からどーぞー。
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先輩と後輩シリーズ
「魔女の呪い。」
先輩と後輩の話。このふたりをこのブログの看板にしたいなぁ、というのは単なる夢想で終わりそう^^;
いただきもの!「カースブレイカーたちの週末」
ポール・ブリッツさまからのいただきもの。週末のふたりはこんな感じですから!
「タヌキの話」
三点リーダーが大好きです。
「今日はなんの日」
なんでもなくない日ばんざい話。
いただきもの!「呪文封じの条件」
卯月 朔さまからブログ2周年記念にいただいたもの。冒頭に注意書きがあります。
「UMA」
先輩と虫取り網ってとっても似合うと思うの。虫取り網は出てこないんだけども。
「風邪っぴき」
風邪ひいたらこれやらないとウソだろう!
「運不運」
要するに、書いた時に私が不運のどん底だったわけですね。作中のような不運ではなかったですけど。
「しゃっくり」
要するに、書いた時に私がしゃっくりしていたわけですね。
「あいこ」
こう見えて、実は季節ものだったり。
いただきもの!「ハッピーサマーホラーハウス」
卯月 朔さまよりいただきました! 夏、といえば、お化け屋敷です!
いただきもの!「博士、助手、蒼さん」
ねみさまよりいただきました! この二人とねみさまブログの看板娘、蒼ちゃんとの共演です。博士自重www
「プールサイドの攻防」
夏、といえば、プールです! プール、といえば水着なのですよ!
「お盆ですよ」
夏、といえば、お墓参りですね!
「行動は計画的に。」
今回はお邪魔虫がいます。
「trick!」
10月といえばハロウィンなのですよ!
「雨宿りと毛繕い」
先輩と後輩でファンタジーその1。
「銀の鱗。」
先輩と後輩でファンタジーその2。
「年末の風物詩」「寒いから」「コタツがない」
年末年始で続いてる珍しいタイプです。
「内と外」
季節ものです。二月ですねー。
「両端から」
季節ものです。二月ですねー。
「茶色い薬」
季節ものです。二月ですねー。www
いただきもの!「先輩と後輩の絵」
歌さまからのいただきものです。女先輩・男後輩/男先輩・女後輩の美麗和み萌えイラストは必見。
いただきもの!「先輩と後輩の絵 その2」
卯月 朔さまからのいただきものです。こちらも女先輩・男後輩/男先輩・女後輩があります。男後輩の魅力にメロメロ。
「古文とコーヒーと部活動」
お邪魔虫がいます。今回も。先輩と後輩と古文担当長野先生の話。
「コーヒーと白衣とパーカー」
前のお話の続きおまけ蛇足。
「川の流れのように」
季節ものです。三月ですねー。
「仰げば愛しい」
季節ものです。三月ですねー。その2。
「待ってて」
もしかしたらあるかも知れないお話。
いただきもの!「後輩がカッとなってる」
歌さまからいただきました美麗イラストです。後輩がカッとなっております。
「仰ぎたかった」
季節ものです。三月ですねー。その3。
いただきもの!「収穫!」
卯月 朔さまよりいただきました。誕プレですキャー ヾ(≧∇≦*)〃ヾ(*≧∇≦)〃 キャー 美麗後輩をどうぞ。
いただきもの!「二割のホントウ」
祭 歌さまよりいただきました。これも誕生日プレゼントです! ちょーかんわいいお話です。かわいらしい先輩のイラストもあるよ!
いただきもの!「恐怖のトワイライトゾーン」
ポール・ブリッツさまからいただきました! 誕生日バンザイ! 今回先輩はちょっと不幸!
「世界を救おう」
先輩が世界を救うために奔走します……?
「このままときがとまればいいのに」
五月六日に書いた話ですかね。時期的に、察して下さい。
いただきもの!「先輩の艶姿」
歌さまよりのいただきものです。艶姿先輩ヒャッホー!キャー ヾ(≧∇≦*)〃ヾ(*≧∇≦)〃 キャー
いただきもの!「先輩と後輩とウサ耳とケーキ」
碧生さまよりいただきました! 三周年記念と誕プレです。先輩がだいぶけしかんのです♪ヽ( ´ ∇ ` )ノ
「ツイッターテロ話」その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 その9 その10 その11
ツイッターで仲良くさせていただいている方々を先輩後輩世界にぶちこんでみました。やりすぎました。反省はしておりません。←
「ファミリーレストランでの攻防」
よい子は真似しちゃダメええええぇぇぇ!!
「ジュース二本分」
生徒会長の暁美さん登場。
「目指す場所」
後輩が焦ってる話。
「あなたとは別の人」 前編 後編
前の話の落とし前編。主にえいちゃん先生の話。
「相方が風邪をひいたらどうしますか?」
先輩後輩以外にもあるんですが、一応ここに置いておこうかと。
「家賃が安い理由」
季節もの。夏だし。
「アトランティスの星図」
天体観測をしよう。
「恋のスパイス」
某コックと女子中学生が出てきたりします。タイトルは内容に関係ないです。
「衝動と抑制とケーキ」
某金髪吸血鬼が出てきたりして。
「桃の缶ジュース」
えいちゃんが相変わらず不憫。後輩がくだを巻きます。
「追う者は得ず」
健交委員会、登場。
「白くて丸くて」
しろくってまるくってふわふわしてて。
「あなたのそのぬくもりを」
ソファの上で眠ると寒いね。
「よろこんで」
居酒屋じゃないよ!
「きびきび歩こう」
歩いて行きたくはないなぁ。
「ぬくい」
先輩は寒がりです。
「おでん」
芸人さんのマストアイテムですね、うん。
「ささやかな願い」「前回のオマケ」
季節ものでーす。どうしてか、先輩後輩の前に現れる人外は性格がよろしくない気がする。
「共に越えたい」
これも季節もの。
「12時を過ぎるまで」
これも季節もの。ん、最近多いな。
「鬱々として」
久々の先輩後輩は、反映させてみました。私の信条を。
「しましま」
しましまですよ、しましま。
「フール・エイプリル・フール」
まー、四月馬鹿の話以外の話だったらすごいですよね、このタイトルで。
「突撃! となりの誕生会+いただきものは眼福だよ」
先輩後輩というか、某吸血鬼たちも出てきます。
「誓いますか?」
すごいタイトル。すごいタイトルですね、これ。なんというか、破壊力が。
「絨毯」
じゅうたんって、漢字でそらで書ける人はすごいなぁ、って思う。
「ケミカルハザード」
会話文じゃない先輩後輩話は珍しいですね。
「カタログ」
ゲストあります。……ゲスト、というかなんというか。そしてギャグ回らしいですよ。……ギャグじゃない回などあっただろうか。
「雨の季節の話/矛盾」
でんでん的な短い話です。
「ウソだ」
梅雨時の話のような感じ。これも短い。
「雨のはなし声」
これも梅雨の話かなー。やっぱり短い話。
「ジューン」
これも六月の話。やや短め?
「とける」
暑かったのですよね、この時。
「先輩と後輩と騎士とドラゴン」
企画に参加している感じで出演させたお話であります。でもやっぱり暑い。
「なまえをいってはいけないあの」
例のそれに対する耐性は、お話によって先輩と後輩でどちらにあるのかが異なります、と今気付きましたw←
「ケーキを食べよう」
これはアレです。タイトルが全てのお話ですね。
「毎日が記念日」
短い。特になんのミもない感じで。
「おうかがい」
先輩のお宅におうかがう話。
「撥水」
突貫で書いた短い話ですね。多いナー、そういう系。
「掃除中に本とか読み出しちゃうよね」
年末のお話ですねー。
「たわし」
たわしの話です。
「きれない」
珍しく先輩後輩っぽい話。……珍しく?
「コーティング」
実は季節モノ。
「逃避行」
これも実は季節モノ。
「傘」
ややホラー? いやそんなことないか。
「雨宿り」
これもホラー? いやいや。
「捕まえる」
やだケンカしてますよ、このふたり。
「ぶんべつ」
面倒ですよね。
「ポッキーゲーム」
11月11日でした。
「秘密」
結局なにを言いたかったんだろーなぁ。額面通りで良いのかなー。
「ハトがくらう」
節分でしょうね。
「桃の節句に関して三題」
絶対無敵!
「大好物」
ハンバーグ美味しい。
「カラカラくんとジメジメちゃん」
『きゅー』『みゅー』
「白衣がパーカー」
珍しい地の文があるヤツです。でも短い。暁美生徒会長登場回。
「よしよし」
この辺で私の私生活では甥っ子が産まれてますね。
「つかない、ない」
寒いんです。
ふぶんりつシリーズ
「ふぶんりつ。」
幼馴染のふたりは毎年一緒に夏祭りに行っていたが…? というお話。ラブです。
「がたんごとん。」
ふぶんりつ、の片割れのお姉ちゃんの話。内容は続いておりません。
いつもの電車の中でのお話。やっぱりラブ。
いただきもの!「ふぶんりつ・屋台のおっちゃんの話」
祭歌さまからいただきました! SSというやつです。屋台のおっちゃんのお話ですよー。
王子と教育係シリーズ
「王子と教育係。」
ラブラブ甘々エセファンタジー。
「ピアノ・レッスン」
『王子と教育係』の続き。4000hit企画です。ポール・ブリッツさまからのリクエスト。お祭の話。
石焼時代劇「桜鬼」シリーズ
「向国山の桜鬼」
5000hit企画。祭歌さまよりのリクエスト。
「純情少年と年下天然少女のラブラブもの」…? 時代劇『風』。
「金木犀と御前試合」
6000hit企画。卯月 朔さまよりのリクエスト。
「時代モノ!」というキーワードで突っ走った石焼時代小説。
「歳の数だけ」
季節ものの話。二月です。
「団子の串と乙女心。」
無性にみたらし団子が食べたくなる話、になっているといいと思います。
剣の勇者シリーズ
「魔物の王と剣の勇者」
魔王さまと勇者さんがいちゃついてはいないですけど、そんな感じのお話。←
「白と黒」
5000hit企画。いき♂さまよりのリクエスト。
「文系×理系 恋愛でもバトルでも可!」 とりあえず出てくる人は文系でも理系でもないよ!←
いただきもの!「黒髪の少年と金髪の少女の昔話」
ポール・ブリッツさまからいただきました! ここから剣の勇者次世代シリーズが始まるわけです。必見。
「剣の勇者と白い巫女。」1 2 3 4 5 6 7
次世代シリーズです。少年と少女の若気の至り話。
いただきもの!「選ばれなかったものの英雄譚」
このシリーズ協賛のポール・ブリッツさまからのいただきものです。頑張れフィロンくん!
「納屋の中の残り物」このタイトルもどうにかならなかったのか自分orz
一方そのころ……という位置づけの話。
いただきもの!
「選ばれなかったものの英雄譚2 船中にて」
「選ばれなかったものの英雄譚3 美姫の勇者」
「選ばれなかったものの英雄譚」4 5 6 7 8 9
ポール・ブリッツさまからのいただきものたち。続・頑張れフィロンくん!
『剣と勇者』シリーズのピリオドを飾ります。
「選ばれなかったものの堕ちた街」
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22終わったはずのシリーズの新しい話です。剣の勇者の顛末。
オマケ。
サクラとメガネシリーズ…このシリーズ名はないわwww
「サクラとメガネとザシキワラシ」プレ編 本編
2000hit企画。祭歌さまよりのリクエスト。
書生さんがお庭でお茶する話。プレ編と本編で相手が違いマス。中身は一緒。
「アマヤドリとペンダント。」
3000hit企画。卯月朔さまからのリクエスト。
ちびっこが葛藤したり丸眼鏡が疑われたり、女子高生が動揺したりします。
いただきもの!「小野さんと小町ちゃんイラスト」
卯月 朔さまよりいただいた眼福イラストv 必見であります。
戦隊もの…?シリーズ
「詩人と愛とミートボール」
5000hit企画。雪月香さまよりのリクエスト。
「子供のお話(意訳)」 ま、まあ子供の話ではあります。
「爆愛戦隊・ラブレンジャー」
6000hit企画。ポール・ブリッツさまよりのリクエスト。
「400字詰め原稿用紙3枚ぴったりで、別れる寸前の男女のよりを戻してみる。SFで」
ってこれ、出オチですよね? 題名からしてもう内容わかっちゃいますよね?
イースターラビット企画参加作品
祭歌さまの企画「Easter Raggit」に参加しております。
「炎と毒」
木炭城の赤毛の姫と黒髪の庭師の話。やっぱり我が家の姫は強い。
「高地の魔女と薔薇と騎士」
企画に提出はしていないのですが、木炭城のもうひとりの姫の話なのでこちらに。
「花と雪」
すごく強いお爺さんと、人外の少女って……萌えますよね?←
短編単品とhit企画とささげもの
「三年の倦怠」
倦怠期?カップルの話。小話。季節もの。
「色のない世界」
冬の海岸とケータイの話。短いですよ。
「とある悪魔との対話。」
悪魔が女の子を口説く話。すごい短いですよー。
「いいからおまえは仕事しろ」
季節もの。これは、みんながみんなそう思うって信じてる。
「真白き手の魔女と三人の兄弟」童話編 本編
童話っぽく。そしてその後の話。
「もみじ饅頭の恋。」
3000hit企画。祭歌さまよりのリクエスト。
和菓子屋の跡継ぎとか従姉妹とか。
「虹の終りに。」
3000hit企画。氷華さまよりのリクエスト。
五人の男子高校生が繰り広げる熱い冒険譚。ウソです。
「白姫の密約」
5000hit企画。卯月朔さまからのリクエスト。
「姫×忍者」のはずが、こんな按配に。ノットラブコメなので注意。
「ピアスと熊」
5000hit企画。空音りんごさまよりのリクエスト。
「恋人未満の幼馴染。ちょっと甘め」 う、うーん?
「医務室にて/ん? あれ? しゃくでば?」
6000hit企画。ねみさまよりのリクエスト。
ねみさまのところの看板娘、空月蒼さんを使ってなにか書きました。
「本の海と黒髪の君」
(再)6000hit企画。ねみさまよりのリクエスト。
ねみさまのところの看板娘、空月蒼さんを使ってなにか書く…はずが、なんか違う方向に^^;
「夕焼けの君と、黄昏の言葉」
6000hit企画。龍生さまからのリクエスト。
「年上ほのぼの男性×ツンデレ女性」もしくは、「年上ツンデレ眼鏡男性×女性」。
そんな感じで書いた……はずです。
「30分はムリです」…これ題名でいいのか?
(再)6000hit企画。ポール・ブリッツさまからのリクエスト。
「なんかください」……って、漠然としすぎですよね。というわけで、ポールさんのところのキャラクターを拝借してみました。無断です!←
「ノロケの方がまだマシだった。」
8000hit企画です。ねみさまよりリクエスト。
「セズクさんと蒼ちゃんの話」…の、はずが。蒼さんどこいった^^;
「悩める美姫とその侍女長」
8000hit企画です。ポール・ブリッツさまからのリクエスト。
「天下に並ぶものなき美女の、天下に並ぶものなきどうでもいい悩み」というお題でした。……お題は面白いんだけどなぁ^^;
「ケーキとペーパーバック」
『イースターエッグの夜』の歌さまの素敵詩からインスパイヤされました。勝手に無断で書いちゃいました。テヘ。ケーキ屋さんで男女が差し向かいで座っています。
「バケツの精と窓辺くん。」
書くネタがなかったときに、「ネタをおくれー!」と叫んでいたらポール・ブリッツさまがバケツを鳴らしてくださいました。そんな感じの話です(?)。
「放課後の秘め事。」
空野海さまからイラストいただいたお返し。「教師×生徒」で小話、というリクエスト。タイトルはどうにかならなかったものか……。
「trick! trick! trick!」
9000hit企画です。ルルさまよりリクエスト。「蒼ちゃんと先輩たちでほのぼの」ということでした。……ほの、ぼの?
「忍び寄る魔の手」
寒くなってきましたよね、というお話。
「虚構と現実」
執事とかメイドとか出てきます。短めです。ギャップバンザイ。
「寿命のある悪魔」
ヴェネチア関連本を読みこんだ末に出てきたお話です。『ベニスの商人』の二次創作です。原作知ってなくてもたぶん大丈夫なはずです。
「草原の白馬と黒馬」
ツイッターにてお題いただいて書いてみました。『遊牧民族』と『くすくす笑う双子の神』です。
「卒業試験と女医」
10000hit企画です。ポール・ブリッツさまより無茶振りされました。いつものことです←
「ある密かな戦い」
10000hit企画です。るるさまよりリクエスト。るるさま宅の「セズクさんまた書いて下さい」というので、彼の愛の戦いをぶちかましてみました。←
「待ち望む」
森谷教授登場。
「朔と桂」
古代の日本をイメージ。寡黙な少年とか、盲目のおっさんとか。たまに奔放な山の女神とか、神狩りとか出てきます。
雪月香さまへの捧げモノ。
「凍土踊巫女」
雪ん中で巫女が舞います踊ります。←
問題発言が多い彼女は実に男らしいと思うの。神龍とか狩人とかでてきます。
祭歌さまへ5000hit祝いの捧げモノ。
「琥珀に眠る」
大魔女さま(幼女)と大ガラスの漫才お話。
コットンキャンディでピンクのキラキラ……を目指しただなんて言えない。
卯月朔さまへの約11500hit祝いの捧げモノ。
「誕生日にはイチゴのケーキを。」
卯月さまのお誕生日祝いです。やっつけ仕事、ここ極まれり……!
「狼さんと赤ずきん」
幼児誘拐話じゃなくって、おっさんたちが酒場でクダを巻く話。それもちょっと違うか。
祭歌さまへ、バーナなどいただいたお返し。
「蒼と仔猫と怪しい白衣」
ねみさまへの捧げもの。ねみさまんとこの看板娘、蒼ちゃんがいろいろ大変なお話。
「緑との遭遇」
そのちーさまへお誕生日祝いの捧げもの。そのちーさまんとこの看板娘、ネリーちゃんがいろいろ大変な話。
「祭り舞台の裏側で。」
ルルさまへの捧げもの。というか勝手に書きました。セズクさんへの愛ゆえに!
「貴族と役人と騎士と学者と庶民。」
祭歌さまへの捧げ物。勝手にご友人たちとの設定をいただきました。無断です!いつものこと!←
「祝いと呪いはやや似てる。」
るるさまへお誕生日祝いの捧げもの。先輩と後輩がお祝いをお見舞いします。
「花のかおりは君のかおり」
暑苦しく汗臭い体育祭のお話。応援団員の子とチアガールの子の話。
「世界を救う僕の騎士」
おじいさんと少年の話。これで長編書きたいなぁ。
「いつか王子様が」
これでもいつか長編書きたいなぁ。
「つまさきの血」
女伯爵さまがいたいけな使用人(少年)のつまさきを嘗めまわす話。大体あってるから困る。どシリアスだと思って読むと肩透かしをくらいます。
「魂を狩るもの」
ホラーテイスト。短いですよ。心が殺伐とする、かも知れない。
「奈落に落ちるような」
置く場所がここなのか、それとも「闇の~」なのか悩むところではあります。
でも主に悩んでるのは別の子だからここでいっか。
ささげもの・闇の~シリーズ
量多くなってきたので別口作ってみました(^_^;)
「ユメカウツツカ」
8000hit企画です。卯月朔さまよりリクエスト。
「卯月さまのキャラで二次元」ということでした。『闇の眷属』シリーズより、イクヤさんとアキちゃんの話。ところによりゴウダさん出演。ややエロ仕様です。
「夜の散歩」
『闇の眷属』シリーズ第二弾。イクヤさんが少年の頃のお話。勢いにまかせて書かせていただきました。
「電話」
10000hit企画?です。卯月 朔さまの『闇の眷属』でちょっと遊んでみました。場繋ぎです……。
「アムリタの子供」
10000hit企画?です。卯月 朔さまよりリクエストいただきました。『闇の眷属』の番外設定的なお話。カイさんとユリちゃんのお話。
「アニキと呼ばれた日」
10000hit企画です。卯月 朔さまよりのリクエスト。『闇の眷属』で、また書いてみました。舎弟の話。
「血と涙。」
11000hit企画と、卯月さまへのお誕生日おめでとうございます話。またまた『闇の眷属』のお話。ややエロス!
「贈り物」
闇の眷属の番外組、カイさんとユリちゃんのお話。その2。
「ゆびきり」
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
カイさんとユリちゃんのお話。バトルバトル!
「eat me!」
1 2 3 4
今回は番外の番外。カイユリじゃなくてユリカイです。
「さよなら、いとしいひと。」
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
カイさんの過去話。やや流血注意。
「hold me, tight」
ハロウィン話です。
「問いかけの裏側」
カイさんの代名詞とは。
「時間指定」
ヒロくんとユリちゃんの話。
「ユリの日常」1 2 3 3.5 4
ユリちゃんの日常を書いてみました。別段事件は起きないなぁ。日常だもの。
「明ける前におめでとう」
ユリちゃんが天羅んとこに正月の挨拶をしに行くお話。
番外if話「純白の君から」
本編にはきっと出てこないだろうけれど、恋愛シュミレーションゲームとしたらばこんなルートのこんなエンドもありえるんだろーなぁ。きっと特典ファンディスクに同梱されてたりするんだろーなぁ、という話。
「たそがれの後継」1 2 3 4 5 6 7 8
クウさま陣営のお話。なぜか例のネコとか出てきます。
「抱きしめた(い)」
バレンタインものだね。
「きみの夢のとなりで」
カイさんがモフモフでストレス解消する話。
「クウさま救済な小話」
タイトル通りの内容でございます。
「祭典に集う」
カズサくんとノーチちゃんのお話。ノーチちゃんがクウさまに嫁いできた理由。←
「涙の味」 前 中 後 完
カイユリです。ユリちゃんの中学校の話、などなど。
「月のない、ある春の夜」
桜でお菓子を作ろう! というかささげものカテゴリですけど、この話は。
「闇の~」設定
カイさん
ユリちゃん
ヒロくん
クウさま
カズサくん
二次創作?
「となりの。」
某アニメの二次創作。サツキが中学生でトトロが少年(え?)です。ボーイミーツガールを目指してます。
起「1 2 3 4 5 6」
承の1「1」 承の2「1 2 3 4 5 6 7 8」 承の3「1 2 3 4 5 6」
いただきもの!「となりの。イラスト」
祭歌さまよりいただきました。ふわふわでかんわいいvvvイラストは必見です。
「水滸伝」
北方水滸伝の二次創作。豪傑史進くんがたまに史進ちゃんになったり、おっさんラブだったりするお話など。BLという腐臭がぷんぷん匂うかも知れない。BL臭はピンクのとこから漂います。注意。
取説 取説2 林冲さんのターン
史進くんのターン「1 2 3 4」 史進くんのターンその2「1 2」
公孫勝さんのターン ウノ 白勝くんのターン「本編 蛇足」 花栄さんのターン
風邪っぴき にゃんこ 二月の話「1 2 3 4」
いただきもの!「索超さん・呉用先生・小五くんイラスト」
萌木くんから強奪いただきました! 美麗ですよ! 必見ッ!
いただきもの!「時遷さんにゃんにゃんイラスト」
これまた萌木くんからです。も、悶えたって知らないんだからぁ!
いただきもの!「史進ちゃんイラスト」
またまた萌木くんからいただきました。かわいいのぅ。
「西へ東へ」
現代ラブ…コメ? 女子中学生→大学生。どれだけ主役の女子中学生を暴走させられるかがポイントです。わかる人にはわかってしまう、某中国小説パロ漫画の二次(どころじゃない)創作。
前哨戦「1 2 3 4」 和花ちゃんのターン「1 2 3 4 5」 チョコレイト☆
「片方ずつのイヤホン」
某楽曲をインスパイア(?)したお話。植物園に行こう! やっぱりちょっとラブ。
いただきもの・イラスト
「オリジナル」
そのちーさまよりいただきました。かわいこちゃんです(*´∀`*) 8000hit祝いです。
「ミズマ。想像イラスト」
空野海さまとそのちーさまからいただきました。私ミズマ。のイラストです。もう、なんかね、現実との落差が非常すぎて、いっそ悲しくなるわ!ってくらいかわいく描いていただきました。
「ステキなお金の使いかた」
ポール・ブリッツさまからいただきました!
「ステキな金」でお題を振られたのですが、「鬼だ!」と言い返したら下さいました。題名に偽りなし、ステキ
お話です。ぜひ。
→「ステキなコイン。」
書いてもらってばかりでは悪いので、私も「ステキな金」で書いてみました。ちょっとホラーです。
「~♪」
レルバルさまよりいただきました。2012年の誕生日プレゼントです。我らがセズク様のお話! 幸せ!
「しゃんしゃん」
空野 海さまからいただきました! こちらも誕プレです。春らしい胎動のステキ詩を、どうぞ。
「ウソと真実」
空音 りんごさまよりいただきました。誕生日ですってば! 色っぽい詩! ヒャッホー!!
先輩と後輩シリーズ
「魔女の呪い。」
先輩と後輩の話。このふたりをこのブログの看板にしたいなぁ、というのは単なる夢想で終わりそう^^;
いただきもの!「カースブレイカーたちの週末」
ポール・ブリッツさまからのいただきもの。週末のふたりはこんな感じですから!
「タヌキの話」
三点リーダーが大好きです。
「今日はなんの日」
なんでもなくない日ばんざい話。
いただきもの!「呪文封じの条件」
卯月 朔さまからブログ2周年記念にいただいたもの。冒頭に注意書きがあります。
「UMA」
先輩と虫取り網ってとっても似合うと思うの。虫取り網は出てこないんだけども。
「風邪っぴき」
風邪ひいたらこれやらないとウソだろう!
「運不運」
要するに、書いた時に私が不運のどん底だったわけですね。作中のような不運ではなかったですけど。
「しゃっくり」
要するに、書いた時に私がしゃっくりしていたわけですね。
「あいこ」
こう見えて、実は季節ものだったり。
いただきもの!「ハッピーサマーホラーハウス」
卯月 朔さまよりいただきました! 夏、といえば、お化け屋敷です!
いただきもの!「博士、助手、蒼さん」
ねみさまよりいただきました! この二人とねみさまブログの看板娘、蒼ちゃんとの共演です。博士自重www
「プールサイドの攻防」
夏、といえば、プールです! プール、といえば水着なのですよ!
「お盆ですよ」
夏、といえば、お墓参りですね!
「行動は計画的に。」
今回はお邪魔虫がいます。
「trick!」
10月といえばハロウィンなのですよ!
「雨宿りと毛繕い」
先輩と後輩でファンタジーその1。
「銀の鱗。」
先輩と後輩でファンタジーその2。
「年末の風物詩」「寒いから」「コタツがない」
年末年始で続いてる珍しいタイプです。
「内と外」
季節ものです。二月ですねー。
「両端から」
季節ものです。二月ですねー。
「茶色い薬」
季節ものです。二月ですねー。www
いただきもの!「先輩と後輩の絵」
歌さまからのいただきものです。女先輩・男後輩/男先輩・女後輩の美麗和み萌えイラストは必見。
いただきもの!「先輩と後輩の絵 その2」
卯月 朔さまからのいただきものです。こちらも女先輩・男後輩/男先輩・女後輩があります。男後輩の魅力にメロメロ。
「古文とコーヒーと部活動」
お邪魔虫がいます。今回も。先輩と後輩と古文担当長野先生の話。
「コーヒーと白衣とパーカー」
前のお話の続きおまけ蛇足。
「川の流れのように」
季節ものです。三月ですねー。
「仰げば愛しい」
季節ものです。三月ですねー。その2。
「待ってて」
もしかしたらあるかも知れないお話。
いただきもの!「後輩がカッとなってる」
歌さまからいただきました美麗イラストです。後輩がカッとなっております。
「仰ぎたかった」
季節ものです。三月ですねー。その3。
いただきもの!「収穫!」
卯月 朔さまよりいただきました。誕プレですキャー ヾ(≧∇≦*)〃ヾ(*≧∇≦)〃 キャー 美麗後輩をどうぞ。
いただきもの!「二割のホントウ」
祭 歌さまよりいただきました。これも誕生日プレゼントです! ちょーかんわいいお話です。かわいらしい先輩のイラストもあるよ!
いただきもの!「恐怖のトワイライトゾーン」
ポール・ブリッツさまからいただきました! 誕生日バンザイ! 今回先輩はちょっと不幸!
「世界を救おう」
先輩が世界を救うために奔走します……?
「このままときがとまればいいのに」
五月六日に書いた話ですかね。時期的に、察して下さい。
いただきもの!「先輩の艶姿」
歌さまよりのいただきものです。艶姿先輩ヒャッホー!キャー ヾ(≧∇≦*)〃ヾ(*≧∇≦)〃 キャー
いただきもの!「先輩と後輩とウサ耳とケーキ」
碧生さまよりいただきました! 三周年記念と誕プレです。先輩がだいぶけしかんのです♪ヽ( ´ ∇ ` )ノ
「ツイッターテロ話」その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 その9 その10 その11
ツイッターで仲良くさせていただいている方々を先輩後輩世界にぶちこんでみました。やりすぎました。反省はしておりません。←
「ファミリーレストランでの攻防」
よい子は真似しちゃダメええええぇぇぇ!!
「ジュース二本分」
生徒会長の暁美さん登場。
「目指す場所」
後輩が焦ってる話。
「あなたとは別の人」 前編 後編
前の話の落とし前編。主にえいちゃん先生の話。
「相方が風邪をひいたらどうしますか?」
先輩後輩以外にもあるんですが、一応ここに置いておこうかと。
「家賃が安い理由」
季節もの。夏だし。
「アトランティスの星図」
天体観測をしよう。
「恋のスパイス」
某コックと女子中学生が出てきたりします。タイトルは内容に関係ないです。
「衝動と抑制とケーキ」
某金髪吸血鬼が出てきたりして。
「桃の缶ジュース」
えいちゃんが相変わらず不憫。後輩がくだを巻きます。
「追う者は得ず」
健交委員会、登場。
「白くて丸くて」
しろくってまるくってふわふわしてて。
「あなたのそのぬくもりを」
ソファの上で眠ると寒いね。
「よろこんで」
居酒屋じゃないよ!
「きびきび歩こう」
歩いて行きたくはないなぁ。
「ぬくい」
先輩は寒がりです。
「おでん」
芸人さんのマストアイテムですね、うん。
「ささやかな願い」「前回のオマケ」
季節ものでーす。どうしてか、先輩後輩の前に現れる人外は性格がよろしくない気がする。
「共に越えたい」
これも季節もの。
「12時を過ぎるまで」
これも季節もの。ん、最近多いな。
「鬱々として」
久々の先輩後輩は、反映させてみました。私の信条を。
「しましま」
しましまですよ、しましま。
「フール・エイプリル・フール」
まー、四月馬鹿の話以外の話だったらすごいですよね、このタイトルで。
「突撃! となりの誕生会+いただきものは眼福だよ」
先輩後輩というか、某吸血鬼たちも出てきます。
「誓いますか?」
すごいタイトル。すごいタイトルですね、これ。なんというか、破壊力が。
「絨毯」
じゅうたんって、漢字でそらで書ける人はすごいなぁ、って思う。
「ケミカルハザード」
会話文じゃない先輩後輩話は珍しいですね。
「カタログ」
ゲストあります。……ゲスト、というかなんというか。そしてギャグ回らしいですよ。……ギャグじゃない回などあっただろうか。
「雨の季節の話/矛盾」
でんでん的な短い話です。
「ウソだ」
梅雨時の話のような感じ。これも短い。
「雨のはなし声」
これも梅雨の話かなー。やっぱり短い話。
「ジューン」
これも六月の話。やや短め?
「とける」
暑かったのですよね、この時。
「先輩と後輩と騎士とドラゴン」
企画に参加している感じで出演させたお話であります。でもやっぱり暑い。
「なまえをいってはいけないあの」
例のそれに対する耐性は、お話によって先輩と後輩でどちらにあるのかが異なります、と今気付きましたw←
「ケーキを食べよう」
これはアレです。タイトルが全てのお話ですね。
「毎日が記念日」
短い。特になんのミもない感じで。
「おうかがい」
先輩のお宅におうかがう話。
「撥水」
突貫で書いた短い話ですね。多いナー、そういう系。
「掃除中に本とか読み出しちゃうよね」
年末のお話ですねー。
「たわし」
たわしの話です。
「きれない」
珍しく先輩後輩っぽい話。……珍しく?
「コーティング」
実は季節モノ。
「逃避行」
これも実は季節モノ。
「傘」
ややホラー? いやそんなことないか。
「雨宿り」
これもホラー? いやいや。
「捕まえる」
やだケンカしてますよ、このふたり。
「ぶんべつ」
面倒ですよね。
「ポッキーゲーム」
11月11日でした。
「秘密」
結局なにを言いたかったんだろーなぁ。額面通りで良いのかなー。
「ハトがくらう」
節分でしょうね。
「桃の節句に関して三題」
絶対無敵!
「大好物」
ハンバーグ美味しい。
「カラカラくんとジメジメちゃん」
『きゅー』『みゅー』
「白衣がパーカー」
珍しい地の文があるヤツです。でも短い。暁美生徒会長登場回。
「よしよし」
この辺で私の私生活では甥っ子が産まれてますね。
「つかない、ない」
寒いんです。
ふぶんりつシリーズ
「ふぶんりつ。」
幼馴染のふたりは毎年一緒に夏祭りに行っていたが…? というお話。ラブです。
「がたんごとん。」
ふぶんりつ、の片割れのお姉ちゃんの話。内容は続いておりません。
いつもの電車の中でのお話。やっぱりラブ。
いただきもの!「ふぶんりつ・屋台のおっちゃんの話」
祭歌さまからいただきました! SSというやつです。屋台のおっちゃんのお話ですよー。
王子と教育係シリーズ
「王子と教育係。」
ラブラブ甘々エセファンタジー。
「ピアノ・レッスン」
『王子と教育係』の続き。4000hit企画です。ポール・ブリッツさまからのリクエスト。お祭の話。
石焼時代劇「桜鬼」シリーズ
「向国山の桜鬼」
5000hit企画。祭歌さまよりのリクエスト。
「純情少年と年下天然少女のラブラブもの」…? 時代劇『風』。
「金木犀と御前試合」
6000hit企画。卯月 朔さまよりのリクエスト。
「時代モノ!」というキーワードで突っ走った石焼時代小説。
「歳の数だけ」
季節ものの話。二月です。
「団子の串と乙女心。」
無性にみたらし団子が食べたくなる話、になっているといいと思います。
剣の勇者シリーズ
「魔物の王と剣の勇者」
魔王さまと勇者さんがいちゃついてはいないですけど、そんな感じのお話。←
「白と黒」
5000hit企画。いき♂さまよりのリクエスト。
「文系×理系 恋愛でもバトルでも可!」 とりあえず出てくる人は文系でも理系でもないよ!←
いただきもの!「黒髪の少年と金髪の少女の昔話」
ポール・ブリッツさまからいただきました! ここから剣の勇者次世代シリーズが始まるわけです。必見。
「剣の勇者と白い巫女。」1 2 3 4 5 6 7
次世代シリーズです。少年と少女の若気の至り話。
いただきもの!「選ばれなかったものの英雄譚」
このシリーズ協賛のポール・ブリッツさまからのいただきものです。頑張れフィロンくん!
「納屋の中の残り物」このタイトルもどうにかならなかったのか自分orz
一方そのころ……という位置づけの話。
いただきもの!
「選ばれなかったものの英雄譚2 船中にて」
「選ばれなかったものの英雄譚3 美姫の勇者」
「選ばれなかったものの英雄譚」4 5 6 7 8 9
ポール・ブリッツさまからのいただきものたち。続・頑張れフィロンくん!
『剣と勇者』シリーズのピリオドを飾ります。
「選ばれなかったものの堕ちた街」
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22終わったはずのシリーズの新しい話です。剣の勇者の顛末。
オマケ。
サクラとメガネシリーズ…このシリーズ名はないわwww
「サクラとメガネとザシキワラシ」プレ編 本編
2000hit企画。祭歌さまよりのリクエスト。
書生さんがお庭でお茶する話。プレ編と本編で相手が違いマス。中身は一緒。
「アマヤドリとペンダント。」
3000hit企画。卯月朔さまからのリクエスト。
ちびっこが葛藤したり丸眼鏡が疑われたり、女子高生が動揺したりします。
いただきもの!「小野さんと小町ちゃんイラスト」
卯月 朔さまよりいただいた眼福イラストv 必見であります。
戦隊もの…?シリーズ
「詩人と愛とミートボール」
5000hit企画。雪月香さまよりのリクエスト。
「子供のお話(意訳)」 ま、まあ子供の話ではあります。
「爆愛戦隊・ラブレンジャー」
6000hit企画。ポール・ブリッツさまよりのリクエスト。
「400字詰め原稿用紙3枚ぴったりで、別れる寸前の男女のよりを戻してみる。SFで」
ってこれ、出オチですよね? 題名からしてもう内容わかっちゃいますよね?
イースターラビット企画参加作品
祭歌さまの企画「Easter Raggit」に参加しております。
「炎と毒」
木炭城の赤毛の姫と黒髪の庭師の話。やっぱり我が家の姫は強い。
「高地の魔女と薔薇と騎士」
企画に提出はしていないのですが、木炭城のもうひとりの姫の話なのでこちらに。
「花と雪」
すごく強いお爺さんと、人外の少女って……萌えますよね?←
短編単品とhit企画とささげもの
「三年の倦怠」
倦怠期?カップルの話。小話。季節もの。
「色のない世界」
冬の海岸とケータイの話。短いですよ。
「とある悪魔との対話。」
悪魔が女の子を口説く話。すごい短いですよー。
「いいからおまえは仕事しろ」
季節もの。これは、みんながみんなそう思うって信じてる。
「真白き手の魔女と三人の兄弟」童話編 本編
童話っぽく。そしてその後の話。
「もみじ饅頭の恋。」
3000hit企画。祭歌さまよりのリクエスト。
和菓子屋の跡継ぎとか従姉妹とか。
「虹の終りに。」
3000hit企画。氷華さまよりのリクエスト。
五人の男子高校生が繰り広げる熱い冒険譚。ウソです。
「白姫の密約」
5000hit企画。卯月朔さまからのリクエスト。
「姫×忍者」のはずが、こんな按配に。ノットラブコメなので注意。
「ピアスと熊」
5000hit企画。空音りんごさまよりのリクエスト。
「恋人未満の幼馴染。ちょっと甘め」 う、うーん?
「医務室にて/ん? あれ? しゃくでば?」
6000hit企画。ねみさまよりのリクエスト。
ねみさまのところの看板娘、空月蒼さんを使ってなにか書きました。
「本の海と黒髪の君」
(再)6000hit企画。ねみさまよりのリクエスト。
ねみさまのところの看板娘、空月蒼さんを使ってなにか書く…はずが、なんか違う方向に^^;
「夕焼けの君と、黄昏の言葉」
6000hit企画。龍生さまからのリクエスト。
「年上ほのぼの男性×ツンデレ女性」もしくは、「年上ツンデレ眼鏡男性×女性」。
そんな感じで書いた……はずです。
「30分はムリです」…これ題名でいいのか?
(再)6000hit企画。ポール・ブリッツさまからのリクエスト。
「なんかください」……って、漠然としすぎですよね。というわけで、ポールさんのところのキャラクターを拝借してみました。無断です!←
「ノロケの方がまだマシだった。」
8000hit企画です。ねみさまよりリクエスト。
「セズクさんと蒼ちゃんの話」…の、はずが。蒼さんどこいった^^;
「悩める美姫とその侍女長」
8000hit企画です。ポール・ブリッツさまからのリクエスト。
「天下に並ぶものなき美女の、天下に並ぶものなきどうでもいい悩み」というお題でした。……お題は面白いんだけどなぁ^^;
「ケーキとペーパーバック」
『イースターエッグの夜』の歌さまの素敵詩からインスパイヤされました。勝手に無断で書いちゃいました。テヘ。ケーキ屋さんで男女が差し向かいで座っています。
「バケツの精と窓辺くん。」
書くネタがなかったときに、「ネタをおくれー!」と叫んでいたらポール・ブリッツさまがバケツを鳴らしてくださいました。そんな感じの話です(?)。
「放課後の秘め事。」
空野海さまからイラストいただいたお返し。「教師×生徒」で小話、というリクエスト。タイトルはどうにかならなかったものか……。
「trick! trick! trick!」
9000hit企画です。ルルさまよりリクエスト。「蒼ちゃんと先輩たちでほのぼの」ということでした。……ほの、ぼの?
「忍び寄る魔の手」
寒くなってきましたよね、というお話。
「虚構と現実」
執事とかメイドとか出てきます。短めです。ギャップバンザイ。
「寿命のある悪魔」
ヴェネチア関連本を読みこんだ末に出てきたお話です。『ベニスの商人』の二次創作です。原作知ってなくてもたぶん大丈夫なはずです。
「草原の白馬と黒馬」
ツイッターにてお題いただいて書いてみました。『遊牧民族』と『くすくす笑う双子の神』です。
「卒業試験と女医」
10000hit企画です。ポール・ブリッツさまより無茶振りされました。いつものことです←
「ある密かな戦い」
10000hit企画です。るるさまよりリクエスト。るるさま宅の「セズクさんまた書いて下さい」というので、彼の愛の戦いをぶちかましてみました。←
「待ち望む」
森谷教授登場。
「朔と桂」
古代の日本をイメージ。寡黙な少年とか、盲目のおっさんとか。たまに奔放な山の女神とか、神狩りとか出てきます。
雪月香さまへの捧げモノ。
「凍土踊巫女」
雪ん中で巫女が舞います踊ります。←
問題発言が多い彼女は実に男らしいと思うの。神龍とか狩人とかでてきます。
祭歌さまへ5000hit祝いの捧げモノ。
「琥珀に眠る」
大魔女さま(幼女)と大ガラスの
コットンキャンディでピンクのキラキラ……を目指しただなんて言えない。
卯月朔さまへの約11500hit祝いの捧げモノ。
「誕生日にはイチゴのケーキを。」
卯月さまのお誕生日祝いです。やっつけ仕事、ここ極まれり……!
「狼さんと赤ずきん」
祭歌さまへ、バーナなどいただいたお返し。
「蒼と仔猫と怪しい白衣」
ねみさまへの捧げもの。ねみさまんとこの看板娘、蒼ちゃんがいろいろ大変なお話。
「緑との遭遇」
そのちーさまへお誕生日祝いの捧げもの。そのちーさまんとこの看板娘、ネリーちゃんがいろいろ大変な話。
「祭り舞台の裏側で。」
ルルさまへの捧げもの。というか勝手に書きました。セズクさんへの愛ゆえに!
「貴族と役人と騎士と学者と庶民。」
祭歌さまへの捧げ物。勝手にご友人たちとの設定をいただきました。無断です!いつものこと!←
「祝いと呪いはやや似てる。」
るるさまへお誕生日祝いの捧げもの。先輩と後輩がお祝いをお見舞いします。
「花のかおりは君のかおり」
暑苦しく汗臭い体育祭のお話。応援団員の子とチアガールの子の話。
「世界を救う僕の騎士」
おじいさんと少年の話。これで長編書きたいなぁ。
「いつか王子様が」
これでもいつか長編書きたいなぁ。
「つまさきの血」
女伯爵さまがいたいけな使用人(少年)のつまさきを嘗めまわす話。大体あってるから困る。どシリアスだと思って読むと肩透かしをくらいます。
「魂を狩るもの」
ホラーテイスト。短いですよ。心が殺伐とする、かも知れない。
「奈落に落ちるような」
置く場所がここなのか、それとも「闇の~」なのか悩むところではあります。
でも主に悩んでるのは別の子だからここでいっか。
ささげもの・闇の~シリーズ
量多くなってきたので別口作ってみました(^_^;)
「ユメカウツツカ」
8000hit企画です。卯月朔さまよりリクエスト。
「卯月さまのキャラで二次元」ということでした。『闇の眷属』シリーズより、イクヤさんとアキちゃんの話。ところによりゴウダさん出演。ややエロ仕様です。
「夜の散歩」
『闇の眷属』シリーズ第二弾。イクヤさんが少年の頃のお話。勢いにまかせて書かせていただきました。
「電話」
10000hit企画?です。卯月 朔さまの『闇の眷属』でちょっと遊んでみました。場繋ぎです……。
「アムリタの子供」
10000hit企画?です。卯月 朔さまよりリクエストいただきました。『闇の眷属』の番外設定的なお話。カイさんとユリちゃんのお話。
「アニキと呼ばれた日」
10000hit企画です。卯月 朔さまよりのリクエスト。『闇の眷属』で、また書いてみました。舎弟の話。
「血と涙。」
11000hit企画と、卯月さまへのお誕生日おめでとうございます話。またまた『闇の眷属』のお話。ややエロス!
「贈り物」
闇の眷属の番外組、カイさんとユリちゃんのお話。その2。
「ゆびきり」
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
カイさんとユリちゃんのお話。バトルバトル!
「eat me!」
1 2 3 4
今回は番外の番外。カイユリじゃなくてユリカイです。
「さよなら、いとしいひと。」
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
カイさんの過去話。やや流血注意。
「hold me, tight」
ハロウィン話です。
「問いかけの裏側」
カイさんの代名詞とは。
「時間指定」
ヒロくんとユリちゃんの話。
「ユリの日常」1 2 3 3.5 4
ユリちゃんの日常を書いてみました。別段事件は起きないなぁ。日常だもの。
「明ける前におめでとう」
ユリちゃんが天羅んとこに正月の挨拶をしに行くお話。
番外if話「純白の君から」
本編にはきっと出てこないだろうけれど、恋愛シュミレーションゲームとしたらばこんなルートのこんなエンドもありえるんだろーなぁ。きっと特典ファンディスクに同梱されてたりするんだろーなぁ、という話。
「たそがれの後継」1 2 3 4 5 6 7 8
クウさま陣営のお話。なぜか例のネコとか出てきます。
「抱きしめた(い)」
バレンタインものだね。
「きみの夢のとなりで」
カイさんがモフモフでストレス解消する話。
「クウさま救済な小話」
タイトル通りの内容でございます。
「祭典に集う」
カズサくんとノーチちゃんのお話。ノーチちゃんがクウさまに嫁いできた理由。←
「涙の味」 前 中 後 完
カイユリです。ユリちゃんの中学校の話、などなど。
「月のない、ある春の夜」
桜でお菓子を作ろう! というかささげものカテゴリですけど、この話は。
「闇の~」設定
カイさん
ユリちゃん
ヒロくん
クウさま
カズサくん
二次創作?
「となりの。」
某アニメの二次創作。サツキが中学生でトトロが少年(え?)です。ボーイミーツガールを目指してます。
起「1 2 3 4 5 6」
承の1「1」 承の2「1 2 3 4 5 6 7 8」 承の3「1 2 3 4 5 6」
いただきもの!「となりの。イラスト」
祭歌さまよりいただきました。ふわふわでかんわいいvvvイラストは必見です。
「水滸伝」
北方水滸伝の二次創作。豪傑史進くんがたまに史進ちゃんになったり、おっさんラブだったりするお話など。BLという腐臭がぷんぷん匂うかも知れない。BL臭はピンクのとこから漂います。注意。
取説 取説2 林冲さんのターン
史進くんのターン「1 2 3 4」 史進くんのターンその2「1 2」
公孫勝さんのターン ウノ 白勝くんのターン「本編 蛇足」 花栄さんのターン
風邪っぴき にゃんこ 二月の話「1 2 3 4」
いただきもの!「索超さん・呉用先生・小五くんイラスト」
萌木くんから
いただきもの!「時遷さんにゃんにゃんイラスト」
これまた萌木くんからです。も、悶えたって知らないんだからぁ!
いただきもの!「史進ちゃんイラスト」
またまた萌木くんからいただきました。かわいいのぅ。
「西へ東へ」
現代ラブ…コメ? 女子中学生→大学生。どれだけ主役の女子中学生を暴走させられるかがポイントです。わかる人にはわかってしまう、某中国小説パロ漫画の二次(どころじゃない)創作。
前哨戦「1 2 3 4」 和花ちゃんのターン「1 2 3 4 5」 チョコレイト☆
「片方ずつのイヤホン」
某楽曲をインスパイア(?)したお話。植物園に行こう! やっぱりちょっとラブ。
いただきもの・イラスト
「オリジナル」
そのちーさまよりいただきました。かわいこちゃんです(*´∀`*) 8000hit祝いです。
「ミズマ。想像イラスト」
空野海さまとそのちーさまからいただきました。私ミズマ。のイラストです。もう、なんかね、現実との落差が非常すぎて、いっそ悲しくなるわ!ってくらいかわいく描いていただきました。
「ステキなお金の使いかた」
ポール・ブリッツさまからいただきました!
「ステキな金」でお題を振られたのですが、「鬼だ!」と言い返したら下さいました。題名に偽りなし、ステキ
お話です。ぜひ。
→「ステキなコイン。」
書いてもらってばかりでは悪いので、私も「ステキな金」で書いてみました。ちょっとホラーです。
「~♪」
レルバルさまよりいただきました。2012年の誕生日プレゼントです。我らがセズク様のお話! 幸せ!
「しゃんしゃん」
空野 海さまからいただきました! こちらも誕プレです。春らしい胎動のステキ詩を、どうぞ。
「ウソと真実」
空音 りんごさまよりいただきました。誕生日ですってば! 色っぽい詩! ヒャッホー!!
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Posted on 2020/01/01 Wed. 23:41 [edit]
category: 未分類
01
思いつき消化小話「晴天の」
タイトル以外のなにものでもない感じ。
あ、お久しぶりでーす。
元気でーす。
気付いたら広告出てましたね……。出さないようにしていたつもりが……。
あ、お久しぶりでーす。
元気でーす。
気付いたら広告出てましたね……。出さないようにしていたつもりが……。
-- 続きを読む --
青天の
聡美は、自分が両手に抱えた通学カバンを落としたことに、数秒気付かなかった。
ごく普通の女子中学生である聡美には、ごく普通でない友人がいる。
まず、とんでもないアレルギー持ちであること。そのため、普通の食べ物は受け付けない(その辺りのことで色々あったのだが、思い出す度に当時の自分を殴りたくなる)。
それから、おそらく天涯孤独の身の上であり、超絶美形コックさんと一緒に暮らしていること。当然血の繋がりはない。すごく仲睦まじい様子を聡美は何度も見ているし、何度も理由もなく(あるのだが)叫び出したくなった。
あとは、なんだか怪し気な大人たちと仲良くしていること。本人はとても楽しそうにしているからいいのかな、とも思うけれど、果たしてそれが良いことなのかは聡美には判断できない。
更に付け加えるなら、彼女はちょっとした美少女なのだが、上記の属性を考えると、とりたてて主張すべきこととも思えなくなってくる。
放課後、聡美は彼女、夕里の家へと歩いていた。早退した彼女に宿題のプリントを届けるためである。
よくある事だった。夕里の早退も、届け物をしに聡美が出向くのも。
だが、初めてだった。
彼女の友人にして女子中学生である夕里が、彼女に家である古びたマンションの前で、黒塗りで黒光りする車から、黒ずくめの眼光鋭い大男によって開かれた後部ドアから出て来るのを見るのは。
「あれ、聡美?」
固まっていた聡美は、きょとん、とした風情の夕里の声によって我に返った。
「どしたの? また宿題?」
えー、いらなーい、と呻く友人に歩み寄ると、大男はそっと控えるように後ろへと下がった。
聡美の視線を避けるように、鋭い眼光は地面へと縫い留められたまま。
「その人は?」
「え、ゴウダくん。ええっと、天羅のおじさんとこで運転手?みたいなことやってて、今日は送ってもらったんだ。ええと、検診の日だったから。ってか、聡美ってゴウダくんと会ったことなかったっけ?」
この友人は焦ると口数が多くなる。
それはそれとして、聡美は黒ずくめの大男へと視線を向ける。
「はじめまして」
強引にマンションの中に押し入ってきた聡美は、居間のソファへぼすんと身を投げ出した。
「あぁぁぁー……」
何故か呻く友人に対し、どうにか弁明をする必要を感じた夕里は、とにかく口を開く。
「あのね、ゴウダくんってあんな怖そうな見た目だけど、すごく優しいしナイーブだし、良い人なんだ。言っちゃうと、たぶん初恋とかも最近で、その相手は私たちと同い年ぐらいの女の子だしって、でも、ありロリコンとかじゃなくって純粋なだけだと思うし、ええと、プラトニックっぽい? し、だからね、聡美が心配してるようなことはなにも……」
「ちょう、かっこいい……」
友人の呻き声が、夕里にははっきり聞き取れなかったようだった。
「あの、ごめん。なんて?」
おずおずと声を掛けると、聡美はがばりと起き上る。
「なにあの人! 超カッコいいんだすけど! 困る!」
「ええと、ゴウダくんのこと、だよね?」
「黒ずくめ! 鋭い眼光! でも控えめな態度! 見た? 私の言葉に対してちょっと頷くだけだったよ! なにそれ! 超カッコいい!」
ヒートアップする聡美。対する夕里は「えー……」と引き気味。
「すごくカッコいい……無理……」
両手で顔を覆って、ぶんぶんと首を振る聡美。重症だ。
「どっちかって言うとかわいいタイプじゃないの」
「はぁ? ゴウダさんはカッコいいでしょうが!」
言われて夕里はゴウダの顔を思い出す。陰気で清らかな少女がヤクザの体に乗り移ったらあんな感じになるだろう彼。一部では妖精扱いされている希少な青年男性。
「んんー、まあ、顔のパーツは良い方、なのかな?」
断定はできない。
「好みは人それぞれだしねー」
という、万能なフォローを挟むと、聡美は「むぅ」と口を尖らせた。
「じゃあ、夕里がイケメンだなーって思う人はどんなのよ」
「え」
「やっぱりぃ、櫂さん、みたいなぁ?」
猫なで声で聡美は言うが、ここははっきり言い切れる。
「それはない」
「え、ないの?」
「ないです」
「全然?」
「櫂はイケメンのカテゴリには入りません」
「いやそれ無理あるから」
櫂さんだよ、と聡美は言うが、夕里は首を振る。
「人それぞれだから」
「じゃあ、イケメンだなーって思う人は? いないの?」
「ええっと」
「いるな。これはいるな」
「あの、ええと、アラブの石油王みたいな」
「……は?」
「あのね! 天羅のおじさんがたまにパーティー開くんだけど、たまぁに、遊びに行ってるのね。そこに招待されてた人がいてね。……すごく、すごーくカッコいい、と、思った」
「石油王が?」
「や、実際には石油王じゃないと思うんだけど! でもちゃんと話したことも当然ないし、遠くからちらっと見ただけだから、全然知り合いでもないんだけど、でもあれは、ヤバかった」
「ヤバいんだ」
「なんか、なんかね、フェロモン、が」
「おっと」
「たぶん隠そうとしてるんだろうけど、ムーディな感じというか、フェロモンというか、隠しきれずに漏れ出してる感じがして」
「……」
「すっごい、良いモン見た」
「なんか、おっさんみたいな感想じゃない、それ」
「違うし!」
「てめェらな」
ガツン、と音を立ててローテーブルの上に置かれるお盆。
その上に鎮座するプリンのようなものがふるふると揺れている。
「下世話な話はせめて本人がいねェトコでやれ」
「櫂の話は終わったじゃん」
「わーい、プリン、いただきまーす」
「おう、食え。……てめェらな、余所でンな話してっと、××で××されても知らねェぞ」
「伏字禁止! 久々のまともそうなプリンが不味くなるからぁ!」
「櫂さんってば、そこは××で××だから、××すれば大丈夫ですよ」
「……」
「さ、聡美さんんん?」
「夕里は真似しちゃダメだからね」
「……はい」
霹靂 了。
思いついたネタを勢いで消化。
ゴウダくんにファンがいても不思議はないよね、という展開からこうなりました。
ユリちゃんがイケメン認定しているのは某石油王、というかアル兄です、もちろん。ユリちゃんと接点……あったっけ? ないはず。ニアミス程度、ちらっと顔見た程度でしょう、ということで。
アル兄が美形だとは明言されていない気がしますが、美形じゃないわけがないだろう、と。や、作中で言った通り、イケメン基準は人それぞれですしってことで。
カイさんがイケメンのくくりから外れているのは、まぁ、一緒に暮らしているとそんな感じでもなくなってくるよね、ということです。イケメン=アイドルに対してキャーキャー言ってるという感じ。だからそこにイロコイはない……。聡美女史もイロコイで見ているわけではなく、二次元にいないと思っていた自分の理想が目の前にあってテンション振り切れてる感じでしょうか。
カイさんとユリちゃん、初期作品とは全然雰囲気違うのなー。特にユリちゃんが。カイさんの伏字ネタは久々。聡美女史は出だしはアレでしたが強キャラにジョブチェンジしたので伏字攻撃程度では黙らないのでした。
青天の
聡美は、自分が両手に抱えた通学カバンを落としたことに、数秒気付かなかった。
ごく普通の女子中学生である聡美には、ごく普通でない友人がいる。
まず、とんでもないアレルギー持ちであること。そのため、普通の食べ物は受け付けない(その辺りのことで色々あったのだが、思い出す度に当時の自分を殴りたくなる)。
それから、おそらく天涯孤独の身の上であり、超絶美形コックさんと一緒に暮らしていること。当然血の繋がりはない。すごく仲睦まじい様子を聡美は何度も見ているし、何度も理由もなく(あるのだが)叫び出したくなった。
あとは、なんだか怪し気な大人たちと仲良くしていること。本人はとても楽しそうにしているからいいのかな、とも思うけれど、果たしてそれが良いことなのかは聡美には判断できない。
更に付け加えるなら、彼女はちょっとした美少女なのだが、上記の属性を考えると、とりたてて主張すべきこととも思えなくなってくる。
放課後、聡美は彼女、夕里の家へと歩いていた。早退した彼女に宿題のプリントを届けるためである。
よくある事だった。夕里の早退も、届け物をしに聡美が出向くのも。
だが、初めてだった。
彼女の友人にして女子中学生である夕里が、彼女に家である古びたマンションの前で、黒塗りで黒光りする車から、黒ずくめの眼光鋭い大男によって開かれた後部ドアから出て来るのを見るのは。
「あれ、聡美?」
固まっていた聡美は、きょとん、とした風情の夕里の声によって我に返った。
「どしたの? また宿題?」
えー、いらなーい、と呻く友人に歩み寄ると、大男はそっと控えるように後ろへと下がった。
聡美の視線を避けるように、鋭い眼光は地面へと縫い留められたまま。
「その人は?」
「え、ゴウダくん。ええっと、天羅のおじさんとこで運転手?みたいなことやってて、今日は送ってもらったんだ。ええと、検診の日だったから。ってか、聡美ってゴウダくんと会ったことなかったっけ?」
この友人は焦ると口数が多くなる。
それはそれとして、聡美は黒ずくめの大男へと視線を向ける。
「はじめまして」
強引にマンションの中に押し入ってきた聡美は、居間のソファへぼすんと身を投げ出した。
「あぁぁぁー……」
何故か呻く友人に対し、どうにか弁明をする必要を感じた夕里は、とにかく口を開く。
「あのね、ゴウダくんってあんな怖そうな見た目だけど、すごく優しいしナイーブだし、良い人なんだ。言っちゃうと、たぶん初恋とかも最近で、その相手は私たちと同い年ぐらいの女の子だしって、でも、ありロリコンとかじゃなくって純粋なだけだと思うし、ええと、プラトニックっぽい? し、だからね、聡美が心配してるようなことはなにも……」
「ちょう、かっこいい……」
友人の呻き声が、夕里にははっきり聞き取れなかったようだった。
「あの、ごめん。なんて?」
おずおずと声を掛けると、聡美はがばりと起き上る。
「なにあの人! 超カッコいいんだすけど! 困る!」
「ええと、ゴウダくんのこと、だよね?」
「黒ずくめ! 鋭い眼光! でも控えめな態度! 見た? 私の言葉に対してちょっと頷くだけだったよ! なにそれ! 超カッコいい!」
ヒートアップする聡美。対する夕里は「えー……」と引き気味。
「すごくカッコいい……無理……」
両手で顔を覆って、ぶんぶんと首を振る聡美。重症だ。
「どっちかって言うとかわいいタイプじゃないの」
「はぁ? ゴウダさんはカッコいいでしょうが!」
言われて夕里はゴウダの顔を思い出す。陰気で清らかな少女がヤクザの体に乗り移ったらあんな感じになるだろう彼。一部では妖精扱いされている希少な青年男性。
「んんー、まあ、顔のパーツは良い方、なのかな?」
断定はできない。
「好みは人それぞれだしねー」
という、万能なフォローを挟むと、聡美は「むぅ」と口を尖らせた。
「じゃあ、夕里がイケメンだなーって思う人はどんなのよ」
「え」
「やっぱりぃ、櫂さん、みたいなぁ?」
猫なで声で聡美は言うが、ここははっきり言い切れる。
「それはない」
「え、ないの?」
「ないです」
「全然?」
「櫂はイケメンのカテゴリには入りません」
「いやそれ無理あるから」
櫂さんだよ、と聡美は言うが、夕里は首を振る。
「人それぞれだから」
「じゃあ、イケメンだなーって思う人は? いないの?」
「ええっと」
「いるな。これはいるな」
「あの、ええと、アラブの石油王みたいな」
「……は?」
「あのね! 天羅のおじさんがたまにパーティー開くんだけど、たまぁに、遊びに行ってるのね。そこに招待されてた人がいてね。……すごく、すごーくカッコいい、と、思った」
「石油王が?」
「や、実際には石油王じゃないと思うんだけど! でもちゃんと話したことも当然ないし、遠くからちらっと見ただけだから、全然知り合いでもないんだけど、でもあれは、ヤバかった」
「ヤバいんだ」
「なんか、なんかね、フェロモン、が」
「おっと」
「たぶん隠そうとしてるんだろうけど、ムーディな感じというか、フェロモンというか、隠しきれずに漏れ出してる感じがして」
「……」
「すっごい、良いモン見た」
「なんか、おっさんみたいな感想じゃない、それ」
「違うし!」
「てめェらな」
ガツン、と音を立ててローテーブルの上に置かれるお盆。
その上に鎮座するプリンのようなものがふるふると揺れている。
「下世話な話はせめて本人がいねェトコでやれ」
「櫂の話は終わったじゃん」
「わーい、プリン、いただきまーす」
「おう、食え。……てめェらな、余所でンな話してっと、××で××されても知らねェぞ」
「伏字禁止! 久々のまともそうなプリンが不味くなるからぁ!」
「櫂さんってば、そこは××で××だから、××すれば大丈夫ですよ」
「……」
「さ、聡美さんんん?」
「夕里は真似しちゃダメだからね」
「……はい」
霹靂 了。
思いついたネタを勢いで消化。
ゴウダくんにファンがいても不思議はないよね、という展開からこうなりました。
ユリちゃんがイケメン認定しているのは某石油王、というかアル兄です、もちろん。ユリちゃんと接点……あったっけ? ないはず。ニアミス程度、ちらっと顔見た程度でしょう、ということで。
アル兄が美形だとは明言されていない気がしますが、美形じゃないわけがないだろう、と。や、作中で言った通り、イケメン基準は人それぞれですしってことで。
カイさんがイケメンのくくりから外れているのは、まぁ、一緒に暮らしているとそんな感じでもなくなってくるよね、ということです。イケメン=アイドルに対してキャーキャー言ってるという感じ。だからそこにイロコイはない……。聡美女史もイロコイで見ているわけではなく、二次元にいないと思っていた自分の理想が目の前にあってテンション振り切れてる感じでしょうか。
カイさんとユリちゃん、初期作品とは全然雰囲気違うのなー。特にユリちゃんが。カイさんの伏字ネタは久々。聡美女史は出だしはアレでしたが強キャラにジョブチェンジしたので伏字攻撃程度では黙らないのでした。
Posted on 2017/09/12 Tue. 00:19 [edit]
category: 闇の~
12
とりあえず
貧乏性なので、書いた分だけとりあえず載っけけてみる。
-- 続きを読む --
須見連太郎は平凡な男である。
つまり、オカマバーのママが大家をやっている場末の安アパートを居に構え、定職にはつかず、便利屋などというフリーターとたいして変わらない肩書を名乗っているという点に目をつむれば、概ね平凡な中年男性である。
最近の悩みはちょっとお腹が出てきたこと。
いっそパンパンに太れば着られるドレスもなくなるんじゃないのか、とふと思うが、桜ママの体格を思い出して踏みとどまった。そうだ、着物は(ある程度までなら)着る人の体格を選ばない。
どうせなら性別も選んでほしい、と連太郎は二日酔いの頭でそんなことを思った。
昨晩はあれから夜明けまで飲んだ。むしろ明けても飲んだ。
丹の野郎が調子に乗って、ブロッサム閉店後もまだ空いている店を何件もハシゴしやがったからだ。いや、それに乗って一緒に飲んでしまう自分も自分なのだろうが、この際それはよそに置いておくとする。
全部丹の野郎が悪い。
薄くて硬いベッドの上で頭痛に呻いていた連太郎は、とうとう使い古した布団を跳ね除けてそこから起き出した。
窓から差し込む日差しはぎりぎりで夕暮れではない。
とりあえず腹ごしらえをしないと、と生あくびを噛みころす連太郎の、ぼさぼさの灰褐色の頭からは獣の耳が覗き、そしてフリースのズボンの臀部に開いた穴からはふさふさの尻尾が生えていた。
人族と獣人族の戦いは終わった。
身体的に優れる獣人族は己の勝利を微塵も疑わなかった。
だが、実際に勝利したのは人族であった。
人族は貪欲であった。貪欲に、他者が持つ、獣人たちがもつ知識を吸収し、発展させていった。彼らは埋めがたい身体的な差を知識と技術で凌駕したのだった。
それから数十年。
人族と獣人族との間に格差はなくなり、差別はなくなり、争いのない平和な世界が続いていた。
表面上は。
人族と獣人族の間の溝は埋められるわけもなく、笑顔で握手をするその裏で「獣風情が!」「耳なしが!」と互いに罵りあう。
格差はますます大きくなり、見えない差別が社会の数多を覆っている。
須見連太郎はイヌ族の獣人である。
ふさふさの尻尾と尖った耳は髪(というより毛並か)と同じ灰褐色。それ以外の外見は人族と同じでつるりとした肌が体を覆っている。現在では大半の獣人族が連太郎と同じようで、たまにヒゲが生えていたり、手足が獣のそれであったりするものもいる。ごく稀にだが先祖がえりのような風貌の獣人もいなここともないが、そんな珍しい獣人を連太郎はテレビの中だけでしか見たことがなかった。
たぶん書きなおすよー。
これ、一回だけブログに載せたことある人の話をちゃんと書いてみようと画策中。
だけど主人公のもう一人の名前が決まらぬのだよ……。
須見連太郎は平凡な男である。
つまり、オカマバーのママが大家をやっている場末の安アパートを居に構え、定職にはつかず、便利屋などというフリーターとたいして変わらない肩書を名乗っているという点に目をつむれば、概ね平凡な中年男性である。
最近の悩みはちょっとお腹が出てきたこと。
いっそパンパンに太れば着られるドレスもなくなるんじゃないのか、とふと思うが、桜ママの体格を思い出して踏みとどまった。そうだ、着物は(ある程度までなら)着る人の体格を選ばない。
どうせなら性別も選んでほしい、と連太郎は二日酔いの頭でそんなことを思った。
昨晩はあれから夜明けまで飲んだ。むしろ明けても飲んだ。
丹の野郎が調子に乗って、ブロッサム閉店後もまだ空いている店を何件もハシゴしやがったからだ。いや、それに乗って一緒に飲んでしまう自分も自分なのだろうが、この際それはよそに置いておくとする。
全部丹の野郎が悪い。
薄くて硬いベッドの上で頭痛に呻いていた連太郎は、とうとう使い古した布団を跳ね除けてそこから起き出した。
窓から差し込む日差しはぎりぎりで夕暮れではない。
とりあえず腹ごしらえをしないと、と生あくびを噛みころす連太郎の、ぼさぼさの灰褐色の頭からは獣の耳が覗き、そしてフリースのズボンの臀部に開いた穴からはふさふさの尻尾が生えていた。
人族と獣人族の戦いは終わった。
身体的に優れる獣人族は己の勝利を微塵も疑わなかった。
だが、実際に勝利したのは人族であった。
人族は貪欲であった。貪欲に、他者が持つ、獣人たちがもつ知識を吸収し、発展させていった。彼らは埋めがたい身体的な差を知識と技術で凌駕したのだった。
それから数十年。
人族と獣人族との間に格差はなくなり、差別はなくなり、争いのない平和な世界が続いていた。
表面上は。
人族と獣人族の間の溝は埋められるわけもなく、笑顔で握手をするその裏で「獣風情が!」「耳なしが!」と互いに罵りあう。
格差はますます大きくなり、見えない差別が社会の数多を覆っている。
須見連太郎はイヌ族の獣人である。
ふさふさの尻尾と尖った耳は髪(というより毛並か)と同じ灰褐色。それ以外の外見は人族と同じでつるりとした肌が体を覆っている。現在では大半の獣人族が連太郎と同じようで、たまにヒゲが生えていたり、手足が獣のそれであったりするものもいる。ごく稀にだが先祖がえりのような風貌の獣人もいなここともないが、そんな珍しい獣人を連太郎はテレビの中だけでしか見たことがなかった。
たぶん書きなおすよー。
これ、一回だけブログに載せたことある人の話をちゃんと書いてみようと画策中。
だけど主人公のもう一人の名前が決まらぬのだよ……。
Posted on 2017/07/06 Thu. 23:31 [edit]
category: 未分類
06
たなばた
たなばたですよ、奥さん。
どうも、ミズマ。です。
ご無沙汰しております。元気……では、ないです。また腰痛めてしまっているようです。
うーん、確か去年の今頃だったか、腰痛くなって整体に行ってどうにかごまかして、それから音沙汰なかったんですけど、また腰(というか尾骶骨辺りですけど)が痛くなった、という。
市販の湿布と痛み止めでどうにかなった、ような気がします。
するってぇと、どうにもパソコンがいじりたくなるわけで、久々にブログでもポチポチしているというわけです。
たなばたですね、奥さん。
たなばたってぇと、たなばたの話を更新とめているような……あれって何年前だろ……うん、考えるのはやめよう、うん。
そろそろなにか書きたいなー、書かないと衰えるっていうしなー、という気持ちだけは持ち続けていたと思う今日この頃なわけです。
とはいえ、たなばたですよ、奥さん。
……別にこの問いかけにはなにもかかっていないんですけどね。
あ、FGOやってます。楽しい。
しかしソシャゲに限らず、ゲームですけど、「ウチのキャラはああでこうで~」って、お話にしたり漫画にしたり、世間では色々あるんですけど、私に限っては「ウチのゲームキャラはこうで、主人公はこんな子でうんぬん」というのが、とっても苦手で。
なんでだろうなぁ。一応お話書いたりしていて、想像力は人並みにはあると思うんだけどなぁ。
と、思って、ちょっと思い至りました。
主人公たるプレイヤーキャラクターが自分自身と乖離していなければいないほど、そこに物語を挟むのが難しくなっているんだろうな、と。つまりは自分自身が主人公の話なんて書けるかい、という話でもあります。
んんー、これが良いことなのか悪いことなのか。良し悪しを絡める事柄でもないような気もします。
つまりは、ソシャゲで忙しいから創作がお留守になってますテヘペロという話です。つまりは。
たなばた、なー。たなばた。
たなばた小話のオチって、一体どんなのを考えてたんですかね、私?
どうも、ミズマ。です。
ご無沙汰しております。元気……では、ないです。また腰痛めてしまっているようです。
うーん、確か去年の今頃だったか、腰痛くなって整体に行ってどうにかごまかして、それから音沙汰なかったんですけど、また腰(というか尾骶骨辺りですけど)が痛くなった、という。
市販の湿布と痛み止めでどうにかなった、ような気がします。
するってぇと、どうにもパソコンがいじりたくなるわけで、久々にブログでもポチポチしているというわけです。
たなばたですね、奥さん。
たなばたってぇと、たなばたの話を更新とめているような……あれって何年前だろ……うん、考えるのはやめよう、うん。
そろそろなにか書きたいなー、書かないと衰えるっていうしなー、という気持ちだけは持ち続けていたと思う今日この頃なわけです。
とはいえ、たなばたですよ、奥さん。
……別にこの問いかけにはなにもかかっていないんですけどね。
あ、FGOやってます。楽しい。
しかしソシャゲに限らず、ゲームですけど、「ウチのキャラはああでこうで~」って、お話にしたり漫画にしたり、世間では色々あるんですけど、私に限っては「ウチのゲームキャラはこうで、主人公はこんな子でうんぬん」というのが、とっても苦手で。
なんでだろうなぁ。一応お話書いたりしていて、想像力は人並みにはあると思うんだけどなぁ。
と、思って、ちょっと思い至りました。
主人公たるプレイヤーキャラクターが自分自身と乖離していなければいないほど、そこに物語を挟むのが難しくなっているんだろうな、と。つまりは自分自身が主人公の話なんて書けるかい、という話でもあります。
んんー、これが良いことなのか悪いことなのか。良し悪しを絡める事柄でもないような気もします。
つまりは、ソシャゲで忙しいから創作がお留守になってますテヘペロという話です。つまりは。
たなばた、なー。たなばた。
たなばた小話のオチって、一体どんなのを考えてたんですかね、私?
06
闇の~番外小話「蜂蜜とヨーグルト」
書かなきゃいけないような気が(やっと)して……!
何日か前のポール・ブリッツさまのお話のアンサー的な、裏側的なヤツです。
何日か前のポール・ブリッツさまのお話のアンサー的な、裏側的なヤツです。
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蜂蜜とヨーグルト
珍しいな、とカイは思った。
彼がこの町に居を構えたのにはいくつか理由がある。仕事場との位置関係や、ちょうど手頃な部屋が開いていた事や、色々とあるのだが、中でも一番の理由が、深夜まで開いている業務用スーパーが徒歩圏内にあることだ。
夜更けにうっかり香辛料を切らしても気軽に買いに行ける。家の貯蔵庫より少し遠い程度。
その日もスーパーで満足いく買い物をしたカイはビニル袋を揺らしながら、煙草をふかして歩いていた。
その足をぴたり、と止める。
ふ、と紫煙を吹き出すと、携帯灰皿に吸いさしの煙草を捻じ込んだ。
男はタキシードを着ていた。
路地裏の街灯にぽつりと照らされた道路の端の方に、仰向けで大の字になり、その男は倒れていた。近くに転がる業務用ウィスキーの大瓶には、もう中身はほとんど入っていないようだった。
酔っ払いが酔い潰れて倒れている。しかもタキシードを着て。
とても珍しい。
「オイ、生きてるか?」
真夜中だというのにサングラスを掛けた酔狂な男の表情はよく見えなかったが、その酒臭い体を揺すると、「ぐ」だの「うぅ」だの弱々しいうめき声が漏れた。
生きている。
はぁ、とカイは息を吐く。
四月になったとはいえまだ冷える。
面倒だな、と思ってもここで見捨てられたらカイはもう少し楽に生きていられるだろうに。
酔いつぶれた男のベルトを掴むと、そのまま肩へ担ぎあげた。
真夜中にタキシードを着てサングラスを掛け、酔い潰れている男。
自殺志願なら余所でやってくれ。
カイはまた息を吐き、再び家路を急ぐ。
深く安い酒気に混ざって、血と灰の匂いが、した、気がした。
家に戻るとまだユリは起きていた。
「おかえんなさ……カイ、犯罪者になったの?」
「なンだそりゃ」
相変わらず同居人の少女の思考は読めない。視線ならばカイが担ぎ上げた男へ向いているのだが。
「ケンカして、倒しちゃったとか」
「酔っ払いの行き倒れだ」
「行き倒れの人、私、初めて見た!」
わぁい、じゃねェよ。
妙に嬉しそうなユリに、カイは何度目かの息を吐いた。
「……いいから、てめェはもう寝とけ」
「じゃあ、客間の用意するね!」
「じゃあ、じゃねェだろが」
ぱたぱたと足音を立てて廊下を走るユリ。滅多に使わない(というか、初めて使うんじゃないだろうか)客間の窓を開いて軽く空気を入れ替える。
カイはその間に男の靴を脱がせ、少し埃っぽいベッドへ男をどすんと転がした。
うぅ、とうめき声は漏れるが一向に起きる様子はない。
「乱暴にしちゃダメだよ」
病人だよ、と口をとがらせるユリ。
「酔っ払いは病人じゃねェだろ」
「似たようなものじゃない? 酔っぱらったことないけど」
乱暴に放ったのでサングラスが大きくずれていた。少し考えてから、カイはそっとそれを外す。似合わないサングラスの下から現れたのは、酔っ払い特有の、赤く、そして白くなった顔。その彫りは案外深く、もしかしたら
「……外国の人?」
「こンな顔が好みか、マセガキ」
「ちッ、違うけど! そんなんじゃなくて!」
「大声出すな」
国籍不明の酔い潰れた男のサングラスを客間のテーブルに置くと、カイはユリの腕を掴んで外へと出る。
「ね、あの人タキシード着てたよ」
くい、とカイの上着の袖を引いたユリは内緒話をするように小声でささやく。
「なにがあったのかなぁ」
眉がハの字に下がっている。
「良い事でも、酔いつぶれちゃったりするよね?」
「……さァな」
いいから寝ろ、と額を押すと、ようやく観念したのか、ユリは自室へと引っ込んだ。
それを見届けてからカイはベランダに出る。
四月の夜は冷える。ひゅ、と強い風が吹いていた。
煙草に火をつけると、白い筋が春の夜へと消えて行く。
いつもより苦い紫煙は、カイの肺をじっくりと満たてから、美しい四月の夜へと溶けて行く。
昼近くなってから起き出してきた男はひどい二日酔いに襲われているらしく顔を歪めていた。だが、それでも礼儀知らずではなかったようで、丁寧にこちらに礼をすると、言われるがまま大人しく食堂へ向かった。
夕飯の仕込みの最中だったカイは手を止めず、ちらりと男を窺っただけ。
その一瞬を掠めるようにちらりと見えた双眸は青色。だが口調は流暢な日本語。
……まァ、イイか。
考えたって仕方ない。拾ってしまったものは仕方ない。
それよりも、だ。とカイは仕込みの手を止める。
二日酔いの男の為に消化の良いものを出してやろう。自家製ヨーグルトと秘蔵の蜂蜜。
これぐらいの贅沢を受けてもあの哀れな男に罰は当たるまい。
恐らくは世界で一番、哀れな男だろうから。
徒歩圏内に業務用スーパーとか、この辺の描写がいまいちハードなボイルドにきまらない所以でしょうか。所以でしょうね! わかってるんですけど! 書きたいんだもの!
えー、と、いうわけで数日前…あれ、一か月以上前だなんてそんな馬鹿な、ハハハー…に、書かれた「テリー・レノックスって柄じゃない」のカイさん視点のお話でしたー。
ちょっと(だいぶ)時間があいてしまったのは、忙しかったとかそういうのではなく、たださぼっていただけです……すみませ……。
で、またボールさんがカイさんと残念さんがサシで呑んでる話を書いてくださったので、やっと書き上げたという次第であります。
見ていただいて分かる通り、残念さんの描写はほぼなし! だって無理だし! 勝手に動かすには、なんというかこちらの経験値が足りない! 足りてないんですよ! 武器レベルが高すぎて装備できない武装みたいな! 勝手に拾ってぶん回すには勇気がいります、残念さん。
そして、なんというか安定のユリちゃんですねー。
ちなみに、ユリちゃんが残念さんにがつり懐いたら、残念さんは穏やかな老後を過ごせる可能性が高くなりますw
いや、だってさぁ、天羅本人にも、地祇サイドじゃクウさまにも顔がきく女子中学生ってなんなの、ということです。残念さんが末端の末端だからこそ、簡単にどうにかなりそうな予感がします。
まぁ、そうはならないでしょうけどねー。ユリちゃんが懐かないという話ではなく、残念さんの持つ運命というか性質というか、私ではどうしようもないいろいろが邪魔してくれそうです。無理です。
せめてなー、幸せな幕引きが出来れば、それで幸せなんじゃないかって思ったりします。
実はロビンちゃん生きていて、とかいう無茶してくれても当方は全く問題ないんですけどねー。←
ここまでお付き合いいただいてありがとうございました。
以下、入らなかったオマケ。
「あー! もう帰っちゃったよね! 大丈夫そうだった? 辛そうじゃなかった?」
「今にも死にそうだった」
「ええ! カイ、ちゃんと引き留めないとダメじゃん! ……あーあ、残念さんに会えなくて残念だなぁ」
「……なンだそりゃ」
「え? 会えなくて残念、だから、残念さん」
「そォかよ」
ユリちゃんは残念さんの顔知ってるけど、残念さんは知らないって、結構おいしい話なんじゃないかなって思ったり思わなかったり。
蜂蜜とヨーグルト
珍しいな、とカイは思った。
彼がこの町に居を構えたのにはいくつか理由がある。仕事場との位置関係や、ちょうど手頃な部屋が開いていた事や、色々とあるのだが、中でも一番の理由が、深夜まで開いている業務用スーパーが徒歩圏内にあることだ。
夜更けにうっかり香辛料を切らしても気軽に買いに行ける。家の貯蔵庫より少し遠い程度。
その日もスーパーで満足いく買い物をしたカイはビニル袋を揺らしながら、煙草をふかして歩いていた。
その足をぴたり、と止める。
ふ、と紫煙を吹き出すと、携帯灰皿に吸いさしの煙草を捻じ込んだ。
男はタキシードを着ていた。
路地裏の街灯にぽつりと照らされた道路の端の方に、仰向けで大の字になり、その男は倒れていた。近くに転がる業務用ウィスキーの大瓶には、もう中身はほとんど入っていないようだった。
酔っ払いが酔い潰れて倒れている。しかもタキシードを着て。
とても珍しい。
「オイ、生きてるか?」
真夜中だというのにサングラスを掛けた酔狂な男の表情はよく見えなかったが、その酒臭い体を揺すると、「ぐ」だの「うぅ」だの弱々しいうめき声が漏れた。
生きている。
はぁ、とカイは息を吐く。
四月になったとはいえまだ冷える。
面倒だな、と思ってもここで見捨てられたらカイはもう少し楽に生きていられるだろうに。
酔いつぶれた男のベルトを掴むと、そのまま肩へ担ぎあげた。
真夜中にタキシードを着てサングラスを掛け、酔い潰れている男。
自殺志願なら余所でやってくれ。
カイはまた息を吐き、再び家路を急ぐ。
深く安い酒気に混ざって、血と灰の匂いが、した、気がした。
家に戻るとまだユリは起きていた。
「おかえんなさ……カイ、犯罪者になったの?」
「なンだそりゃ」
相変わらず同居人の少女の思考は読めない。視線ならばカイが担ぎ上げた男へ向いているのだが。
「ケンカして、倒しちゃったとか」
「酔っ払いの行き倒れだ」
「行き倒れの人、私、初めて見た!」
わぁい、じゃねェよ。
妙に嬉しそうなユリに、カイは何度目かの息を吐いた。
「……いいから、てめェはもう寝とけ」
「じゃあ、客間の用意するね!」
「じゃあ、じゃねェだろが」
ぱたぱたと足音を立てて廊下を走るユリ。滅多に使わない(というか、初めて使うんじゃないだろうか)客間の窓を開いて軽く空気を入れ替える。
カイはその間に男の靴を脱がせ、少し埃っぽいベッドへ男をどすんと転がした。
うぅ、とうめき声は漏れるが一向に起きる様子はない。
「乱暴にしちゃダメだよ」
病人だよ、と口をとがらせるユリ。
「酔っ払いは病人じゃねェだろ」
「似たようなものじゃない? 酔っぱらったことないけど」
乱暴に放ったのでサングラスが大きくずれていた。少し考えてから、カイはそっとそれを外す。似合わないサングラスの下から現れたのは、酔っ払い特有の、赤く、そして白くなった顔。その彫りは案外深く、もしかしたら
「……外国の人?」
「こンな顔が好みか、マセガキ」
「ちッ、違うけど! そんなんじゃなくて!」
「大声出すな」
国籍不明の酔い潰れた男のサングラスを客間のテーブルに置くと、カイはユリの腕を掴んで外へと出る。
「ね、あの人タキシード着てたよ」
くい、とカイの上着の袖を引いたユリは内緒話をするように小声でささやく。
「なにがあったのかなぁ」
眉がハの字に下がっている。
「良い事でも、酔いつぶれちゃったりするよね?」
「……さァな」
いいから寝ろ、と額を押すと、ようやく観念したのか、ユリは自室へと引っ込んだ。
それを見届けてからカイはベランダに出る。
四月の夜は冷える。ひゅ、と強い風が吹いていた。
煙草に火をつけると、白い筋が春の夜へと消えて行く。
いつもより苦い紫煙は、カイの肺をじっくりと満たてから、美しい四月の夜へと溶けて行く。
昼近くなってから起き出してきた男はひどい二日酔いに襲われているらしく顔を歪めていた。だが、それでも礼儀知らずではなかったようで、丁寧にこちらに礼をすると、言われるがまま大人しく食堂へ向かった。
夕飯の仕込みの最中だったカイは手を止めず、ちらりと男を窺っただけ。
その一瞬を掠めるようにちらりと見えた双眸は青色。だが口調は流暢な日本語。
……まァ、イイか。
考えたって仕方ない。拾ってしまったものは仕方ない。
それよりも、だ。とカイは仕込みの手を止める。
二日酔いの男の為に消化の良いものを出してやろう。自家製ヨーグルトと秘蔵の蜂蜜。
これぐらいの贅沢を受けてもあの哀れな男に罰は当たるまい。
恐らくは世界で一番、哀れな男だろうから。
徒歩圏内に業務用スーパーとか、この辺の描写がいまいちハードなボイルドにきまらない所以でしょうか。所以でしょうね! わかってるんですけど! 書きたいんだもの!
えー、と、いうわけで数日前…あれ、一か月以上前だなんてそんな馬鹿な、ハハハー…に、書かれた「テリー・レノックスって柄じゃない」のカイさん視点のお話でしたー。
ちょっと(だいぶ)時間があいてしまったのは、忙しかったとかそういうのではなく、たださぼっていただけです……すみませ……。
で、またボールさんがカイさんと残念さんがサシで呑んでる話を書いてくださったので、やっと書き上げたという次第であります。
見ていただいて分かる通り、残念さんの描写はほぼなし! だって無理だし! 勝手に動かすには、なんというかこちらの経験値が足りない! 足りてないんですよ! 武器レベルが高すぎて装備できない武装みたいな! 勝手に拾ってぶん回すには勇気がいります、残念さん。
そして、なんというか安定のユリちゃんですねー。
ちなみに、ユリちゃんが残念さんにがつり懐いたら、残念さんは穏やかな老後を過ごせる可能性が高くなりますw
いや、だってさぁ、天羅本人にも、地祇サイドじゃクウさまにも顔がきく女子中学生ってなんなの、ということです。残念さんが末端の末端だからこそ、簡単にどうにかなりそうな予感がします。
まぁ、そうはならないでしょうけどねー。ユリちゃんが懐かないという話ではなく、残念さんの持つ運命というか性質というか、私ではどうしようもないいろいろが邪魔してくれそうです。無理です。
せめてなー、幸せな幕引きが出来れば、それで幸せなんじゃないかって思ったりします。
実はロビンちゃん生きていて、とかいう無茶してくれても当方は全く問題ないんですけどねー。←
ここまでお付き合いいただいてありがとうございました。
以下、入らなかったオマケ。
「あー! もう帰っちゃったよね! 大丈夫そうだった? 辛そうじゃなかった?」
「今にも死にそうだった」
「ええ! カイ、ちゃんと引き留めないとダメじゃん! ……あーあ、残念さんに会えなくて残念だなぁ」
「……なンだそりゃ」
「え? 会えなくて残念、だから、残念さん」
「そォかよ」
ユリちゃんは残念さんの顔知ってるけど、残念さんは知らないって、結構おいしい話なんじゃないかなって思ったり思わなかったり。
Posted on 2017/05/16 Tue. 00:29 [edit]
category: 闇の~
16
生きてます。「ボールに愛されたい」
生きてます。
-- 続きを読む --
ボールに愛されたい
宗太は悩んでいた。
とても悩んでいた。すごくすごく悩んでいた。
「……はぁ」
当然ため息も深くなる。
平凡な中学校に通う平凡な中学生である彼は夕暮れ間近な時間に平凡な住宅地をとぼとぼと歩く。
宗太は前述の通り、どこにでもいるような中学生である。中学二年生。成績はほぼ中の中。身長も体重も抜きん出ているものはなく、顔だって普通だ。
「……はぁ」
もうひとつため息。
唯一、彼を平凡とは言えなくしている彼自身の要因は、彼が持つサッカー部に所属していることに由来している。
全国区の選手であるとか、レギュラーであるとか、そういうことではない。いわば真逆だ。
彼はサッカーを愛し、そしてサッカー部に所属しているのだが、
「……はぁ」
壊滅的なまでに球技が苦手なのであった。
どれだけ苦手かと言えば、部活帰りの彼の顔に貼れらた湿布の数々が全てサッカーボールによるものだと言えば分かるだろうか。
あまりにも部活中の怪我が多いので、部活内でのいじめやしごきが疑われ、教育委員会やPTAからがっつり監視が入った結果、
「……あぁ」
と、彼らは一様にになんとも言えない顔をして去っていった。
蹴れば反対方向に飛んでいき、パスは何故だか顔面で受け取り、ドリブルしているはずなのに一向にボールは前へ進まない。運動神経は良い方だ。足だって速いし、反射神経もそれなり。だというのに、宗太はボールを満足に扱えなかった。
宗太に退部を勧めるものは、少なからずいた。だが彼がどれだけサッカーを愛しているかを知ると、そう進言するものもいなくなった。
サッカー部顧問はこう語る。
「谷崎はなぁ、いいヤツなんだけどなぁ、空回りというか、ボールに愛されてないというか」
ボールに愛されない男。
それが宗太に付いた二つ名であった。全く嬉しくない。
「……はぁ」
「おや、どうしたんです」
そんな彼に声をかけたのは執事だった。
この現代日本に執事がそうホイホイいてたまるか。だが宗太からしたら彼は執事以外にカテゴリーできない。黒髪を撫でつけ、ぴしりとスーツを着こなした男。きらりと光る眼鏡を押し上げる姿はやっぱり執事につか見えない。
確か、名は
「桐山さん?」
「ええ、宗太くんでしたね。夕里さんのお友達の」
やっぱり執事だ。
執事といえば万事につけて有能で。
だからなのか宗太は話していた。自分とサッカーボールとの関係について。
既にあかりの灯った公園のベンチに座り、またひとつ、大きなため息を落とす。
「それは、……なんというか」
「どうすれば良いと思います?」
んんー、と喉で唸る桐山さん。とんとん、と顎で指を叩く。
「宗太くんは、サッカーが好きで」
「うん」
「観戦するよりプレイしたくて」
「そう」
「でもボールに嫌われていると」
「認めたくないですが」
「それでは、こんなのはどうでしょうか」
数年後、宗太は困っていた。
とても困っていた。すごくすごく困っていた。
「……はぁ」
当然ため息も深く深くなる。
平凡な高校に通う平凡な、どこにでもいるような高校生になった。成績はほぼ中の中。身長も体重も抜きん出ているものはなく、顔だって普通だ。
「……はぁ」
もうひとつため息。
唯一、彼を平凡とは言えなくしている彼自身の要因は、彼が持つサッカー部に所属していることに由来している。
彼はキーパーになっていた。
あの日の桐山の助言、
「蹴れないなら受け止める方で頑張ればいいじゃないですか」
に従い、キーパーへと身を転じた。
相変わらずボールに嫌われているのだが、おかげでゴールの枠の中にボールが入ることも少ない。どんな幸運なのかそれとも不運なのか、おかげで彼の所属チームは全国大会の地区予選を突破したのだった。
そんな彼は現在、フィールドの上に立っていた。
彼の持ち場であるゴール前。キーパーとして立っている。
「ちょっと、桐山さん! なんなんですか、この状況!」
ゴール裏に控えている相変わらず執事然とした男に声を掛ける。
「なに、とは」
「なんで、こんなお偉いさまたちに混じって俺がいるんですか! おかしいですよ!」
現在の宗太のチームメイトは、大企業天羅総帥本人、その他重役達と、関連企業の社長達。対する相手はアラブの王族っぽいやんごとなき身分の方々っぽい。
……宗太に直接の説明はないが、フィールド外にアラブ然とした召使いやらSPっぽい人々がいればなんなとく察せられるというものだ。
平均年齢五十を超えているだろう集団(その割に動きは悪くない。どころか、すごく良い。シュートの威力もちょっと怖いぐらいだ)。
その中で、平凡な高校生がひとり。
「いやぁ、こちらのチームに良いキーパーがいなくてですね。丁度そこに宗太くんが。いやぁ、メル友になっておいてよかったです」
「この為の人生相談だったとか言わないよね!?」
「まさか」
ははは、と笑う桐山。その笑いが全く信用ならないものだと分かる程度には、宗太は桐山と付き合ってきてしまった。
なんだかなぁ、と思いながら、彼は放たれる殺人シュートを本日も止めるのであった。
「桐山さんって何モンなんですか!」
「ただの執事ですよ。ただの」
「嘘だぁ!」
キリヤマ(キーパー、ゲットだぜ!) 了。
やー、書かないとダメですねー。
……何回目だろう、このフレーズ。
ボールに愛されたい
宗太は悩んでいた。
とても悩んでいた。すごくすごく悩んでいた。
「……はぁ」
当然ため息も深くなる。
平凡な中学校に通う平凡な中学生である彼は夕暮れ間近な時間に平凡な住宅地をとぼとぼと歩く。
宗太は前述の通り、どこにでもいるような中学生である。中学二年生。成績はほぼ中の中。身長も体重も抜きん出ているものはなく、顔だって普通だ。
「……はぁ」
もうひとつため息。
唯一、彼を平凡とは言えなくしている彼自身の要因は、彼が持つサッカー部に所属していることに由来している。
全国区の選手であるとか、レギュラーであるとか、そういうことではない。いわば真逆だ。
彼はサッカーを愛し、そしてサッカー部に所属しているのだが、
「……はぁ」
壊滅的なまでに球技が苦手なのであった。
どれだけ苦手かと言えば、部活帰りの彼の顔に貼れらた湿布の数々が全てサッカーボールによるものだと言えば分かるだろうか。
あまりにも部活中の怪我が多いので、部活内でのいじめやしごきが疑われ、教育委員会やPTAからがっつり監視が入った結果、
「……あぁ」
と、彼らは一様にになんとも言えない顔をして去っていった。
蹴れば反対方向に飛んでいき、パスは何故だか顔面で受け取り、ドリブルしているはずなのに一向にボールは前へ進まない。運動神経は良い方だ。足だって速いし、反射神経もそれなり。だというのに、宗太はボールを満足に扱えなかった。
宗太に退部を勧めるものは、少なからずいた。だが彼がどれだけサッカーを愛しているかを知ると、そう進言するものもいなくなった。
サッカー部顧問はこう語る。
「谷崎はなぁ、いいヤツなんだけどなぁ、空回りというか、ボールに愛されてないというか」
ボールに愛されない男。
それが宗太に付いた二つ名であった。全く嬉しくない。
「……はぁ」
「おや、どうしたんです」
そんな彼に声をかけたのは執事だった。
この現代日本に執事がそうホイホイいてたまるか。だが宗太からしたら彼は執事以外にカテゴリーできない。黒髪を撫でつけ、ぴしりとスーツを着こなした男。きらりと光る眼鏡を押し上げる姿はやっぱり執事につか見えない。
確か、名は
「桐山さん?」
「ええ、宗太くんでしたね。夕里さんのお友達の」
やっぱり執事だ。
執事といえば万事につけて有能で。
だからなのか宗太は話していた。自分とサッカーボールとの関係について。
既にあかりの灯った公園のベンチに座り、またひとつ、大きなため息を落とす。
「それは、……なんというか」
「どうすれば良いと思います?」
んんー、と喉で唸る桐山さん。とんとん、と顎で指を叩く。
「宗太くんは、サッカーが好きで」
「うん」
「観戦するよりプレイしたくて」
「そう」
「でもボールに嫌われていると」
「認めたくないですが」
「それでは、こんなのはどうでしょうか」
数年後、宗太は困っていた。
とても困っていた。すごくすごく困っていた。
「……はぁ」
当然ため息も深く深くなる。
平凡な高校に通う平凡な、どこにでもいるような高校生になった。成績はほぼ中の中。身長も体重も抜きん出ているものはなく、顔だって普通だ。
「……はぁ」
もうひとつため息。
唯一、彼を平凡とは言えなくしている彼自身の要因は、彼が持つサッカー部に所属していることに由来している。
彼はキーパーになっていた。
あの日の桐山の助言、
「蹴れないなら受け止める方で頑張ればいいじゃないですか」
に従い、キーパーへと身を転じた。
相変わらずボールに嫌われているのだが、おかげでゴールの枠の中にボールが入ることも少ない。どんな幸運なのかそれとも不運なのか、おかげで彼の所属チームは全国大会の地区予選を突破したのだった。
そんな彼は現在、フィールドの上に立っていた。
彼の持ち場であるゴール前。キーパーとして立っている。
「ちょっと、桐山さん! なんなんですか、この状況!」
ゴール裏に控えている相変わらず執事然とした男に声を掛ける。
「なに、とは」
「なんで、こんなお偉いさまたちに混じって俺がいるんですか! おかしいですよ!」
現在の宗太のチームメイトは、大企業天羅総帥本人、その他重役達と、関連企業の社長達。対する相手はアラブの王族っぽいやんごとなき身分の方々っぽい。
……宗太に直接の説明はないが、フィールド外にアラブ然とした召使いやらSPっぽい人々がいればなんなとく察せられるというものだ。
平均年齢五十を超えているだろう集団(その割に動きは悪くない。どころか、すごく良い。シュートの威力もちょっと怖いぐらいだ)。
その中で、平凡な高校生がひとり。
「いやぁ、こちらのチームに良いキーパーがいなくてですね。丁度そこに宗太くんが。いやぁ、メル友になっておいてよかったです」
「この為の人生相談だったとか言わないよね!?」
「まさか」
ははは、と笑う桐山。その笑いが全く信用ならないものだと分かる程度には、宗太は桐山と付き合ってきてしまった。
なんだかなぁ、と思いながら、彼は放たれる殺人シュートを本日も止めるのであった。
「桐山さんって何モンなんですか!」
「ただの執事ですよ。ただの」
「嘘だぁ!」
キリヤマ(キーパー、ゲットだぜ!) 了。
やー、書かないとダメですねー。
……何回目だろう、このフレーズ。
Posted on 2017/05/14 Sun. 20:15 [edit]
category: 闇の~
14
アサシンが伝説の海でSING
と、いうわけで観てきました。映画。
「アサシンクリード」
「SING」
「モアナと伝説の海」
以下よりネタバレこみの感想です。ご注意。
「アサシンクリード」
「SING」
「モアナと伝説の海」
以下よりネタバレこみの感想です。ご注意。
-- 続きを読む --
とはいえ、アサシンクリード観たの結構前なので内容がアレなんですけど…。
アサシンクリード
古来よりアサシン教団とテンプル騎士団は戦ってきた。
自由を求める教団と、人間の意志を統制しようとする騎士団。
古代宇宙人からもたらされた、人間の意志を操る知恵の林檎。1400年代、レコンキスタ吹き荒れるスペインの地でアサシン教団のひとりが最後に手にして以来、その行方は杳として知れない。
そして現代。騎士団を母体とするアブスターゴ社は遺伝子から祖先の記憶を抽出する技術を確立した。
彼らはアサシン教団の子孫たちから記憶を抽出し、知恵の林檎の行方を追っていた。
最後に知恵の林檎を持っていたアサシン教団のひとり、アギラールの子孫であるカラムは死刑囚であった。刑が執行されたあと。死んだはずのカラムはアブスターゴ社に回収され、蘇生される。知恵の林檎の行方を探すため、記憶の抽出をされるカラム。
彼は祖先の記憶を追体験するなかで、アサシン教団の使命を知り、実感し、使命を得る。知恵の林檎を騎士団に渡してはならない。何者からも守らなければ。だが時すでに遅く、その使命を自覚したときには記憶の追体験の中で知恵の林檎の場所をアブスターゴ社に、騎士団に知られてしまう。
騎士団は林檎を手に入れ、そしてそれを披露される場にカラムは現れた。混乱する会場の中から知恵の林檎を奪い取り、そしてカラムは姿を消した。
……まー、色々あるんですけど、そんな感じの話です。話としてはストレートな感じですかね。端々を見ると色々あるんですけど、ともかくこの映画の見所はなんといってもアクションです。すごい。アサシンつおい。
個人的にソーシャルゲーム(FGO)でアサシンさんたちにお世話になっているので、その意味合いも含めて観に行ったとこがあります。山の翁ちょうつおい。いや、出てきてませんけど。ハサンさんたち出ませんでしたけどね。
建物をびょんびょん飛んで超動きます。速いすごいつよい。ええと、他になんかあるかなー?←
SING
……ところで、私はご存じの通り名前を覚えるのが苦手です。
今回の映画のキャラクターたちは動物なので、動物の名前でお話していいですかね。いいですよね。うん。
コアラは子供の頃、劇場でショーを見たことがある。それは大女優が歌い上げる見事なショー。コアラは決心した。僕は将来この劇場でこんなショーをするんだ、と。
そして数十年後、コアラは父親が毛が痩せるほど働いて貯めてくれた金で劇場を買い、晴れて支配人となった。……だが、コアラが仕掛けるショーは悉く当たらず、劇場はたちまち経営難になってしまう。銀行からの電話はひっきりなしにかかってくるし、従業員に給金も払えない。
起死回生の一手としてコアラが思いついたのは歌のオーディションだった。賞金は丁度手元にあって98ドルに、少し足した100ドル。……そのはずだったのだが、秘書のカメレオンのうっかりミスで10000ドルと明記したチラシが町中に広まってしまった。
翌日にはたくさんの生き物がオーディションにやってくる。コアラが賞金の打ち間違いに気付いたのは、オーディションが終わり合格者を数名に絞って、さぁ本番に向かって稽古を、という段になってからだった。どうしよう、と焦るコアラ。
オーディションにはたくさんの生き物がきていた。
音楽院を出ていることを鼻にかけた自信家で嫌味なネズミ。
ギャングの息子で悪事の片棒を担がされているけれど夢は歌手で自身も心優しいゴリラの青年。
25人の子育てに追われて、自分を見失いかけていたブタの主婦。
彼氏と一緒にロックシンガーをしているハリネズミの少女。
そして、とびきり歌が上手いのに恥ずかしがり屋で他人の前では歌うことができないゾウの少女。……彼女は結局オーディションでも歌うことが出来ず、舞台装置係りとして劇場に関わることになったのだが。
本番前のリハーサルの日。
コアラはこの日にかけていた。友人であるヒツジの祖母は大金持ちであると同時に、コアラが幼い頃に劇場で観たショーで歌っていた大女優その人でもあった。彼女にスポンサーになってもらえれば……!
だが、リハーサルは最悪の形で終わった。
ネズミがカジノでイカサマをした相手が乗り込んできたり、賞金がまったく用意できていないことが発覚したり、そしてこのショーのために無理な増改築をしたせいで、劇場自体が根こそぎ崩れ去ってしまったのだ。
落ち込むコアラ。
もう駄目だ。
コアラは友人であるヒツジのところに転がり込んで自堕落な生活を送っていた。そこにオーディションで合格した動物たちがやってくる。コンサートをしようと誘ってくる。折角練習したのだから、と。だがもう劇場はない。コアラは彼らの誘いを断る。
そんなコアラの心を動かしたのは歌声だった。
ゾウの少女が誰もいなくなった劇場の跡地で歌っていたのだった。
「いまみたいに、みんなの前で歌えるかい?」
「わからない。……けど、やってみたい」
コアラは皆と劇場の跡地を野外劇場に改造してコンサートを開くことにした。集まってくるのは出演者の家族だけ。そしてこの騒ぎですっかりやっかいもの、お騒がせもの扱いになったコアラを面白おかしく揶揄して放送するテレビ局。
だが、始まってみるとそれはド素人のお遊戯会ではなく、立派なエンターテイメントショーだった。しかもテレビで中継されている。どんどん集まってくる観客。
ブタの主婦は見事なダンスと歌声で魅せ、ゴリラの青年は甘い歌声と繊細なピアノを奏で、ハリネズミの少女は失恋(したんです)の怒りを見事にロックへ昇華してみせた。ネズミはしっとり豊かな歌声で魅了し、そしてゾウの少女の圧倒的な歌声。
ショーは成功だった。その観客の中には散々だったリハーサルで怒って帰ってしまったあの大女優もいた。
結局コアラは劇場を売りに出したが、それを買ったのはヒツジの大女優で、彼女はそこに劇場を再建。コアラは再び劇場の支配人としてスタートをきったのだった。
と、いうお話。まあ他にも色々あるんですけど。洗車シーンとか。色々あるんですけど。爆笑必死の洗車シーンとか。そこだけでも見てほしい洗車シーンとか。
ともかくこの映画の見所は歌声です。その他、個々のエピソードは深く考えると結構重いんですけど。ブタの主婦とかはダンナの無関心とか色々切ないっつーか、ゴリラの子だって親超ギャングで強盗してムショ行きなんですけどそこんとこ大丈夫なのとか、色々。
ちなみに、ブタの主婦は坂本真綾さん(歌上手い)。ゴリラのこはスキマスイッチのピアノじゃない方(歌上手)。ハリネズミは長澤まさみ(歌、上手なんスね)。ネズミは山寺さんだし(歌上手いに決まってるよね)、ゾウの少女に至ってはMISIAですよ。そりゃ上手いよ。そりゃ野外セットの壁もバターンって倒れるよ。声量でバターンってなるよ。上手いよ、そりゃあ。
で、びっくりするのがキャストの中に声優さんでも歌上手いっスよねっていう水樹奈々さんと宮野真守氏が出てるのに全然歌ってないってことですね! なんという! なんという声優の無駄遣い! 宮野さんはちなみに友達の方のヒツジなんで出てるの分かったんですけど、水樹さんは最後のスタッフロールで確認するまで分からなかったなぁ。無駄遣いだなぁ。
まあなんとも聴きごたえのある歌がバシバシでした。もっと洋楽詳しかったらもっと楽しいのでしょうねー、という感じでしたけども。
なんだか続編も作成するみたいですねー。どう考えてもコアラに経営能力なさそうなんで、またバタバタになるのは目に見えてるんですよねー。続編の話はどうとでもなりそうな感じ。
モアナと伝説の海
ところで名前が(二回目)。
モアナ…主人公。女の子。14~5歳? 推定。劇中で八歳とかって言われてますけど、これってからかって言ってるだけよね? 島の族長の娘で次期族長。幼い頃に海に選ばれた。島の禁忌である「サンゴ礁より沖に行ってはいけない」という掟を破って遠くの海に行きたい。
マウイ…大昔に神から授かった釣り針で様々に姿を変えることができる戦士。火を盗み、島を引き上げ、ウナギを植えてココナッツを作ったという英雄。が、調子に乗ったマウイは女神から「全てを生み出す」心を盗み出してしまう。すると大地からマグマの悪魔が心を奪いにあらわれ、マウイは悪魔に敗れ、神の釣り針と女神の心は海の底へと沈んでしまった。マウイは岩だらけの小島に1000年も閉じ込められてしまうことになる。
モアナのおばあちゃん…前族長の妻。だと思う。彼女自身が族長ではないと思うのよね。島の変わり者。語り部。海へ行きたい、沖へ出たいというモアナの想いに理解を示す人物。モアナが子供の頃に海に選ばれたところを目撃している。具体的に言うと、赤子だったモアナに、海に沈んだ女神の心(見た目は緑の宝石みたいの)を渡す場面を見ている。そのときはやってきたモアナの父にモアナのみ回収されて女神の石は放置だったが、おばあちゃんがきちんと回収した。
古代の物語。
最初に海があった。やがて女神が現れ、彼女が島を産み、命を作った。全てを生み出す彼女の心。それを色んなものが狙ったが、とうとう人間の戦士マウイによって奪われてしまう。マウイは溶岩の悪魔に敗れ、女神の心の石は海底へと消え、海は魔物たちが徘徊する恐ろしいものになってしまった。海は毒に染まり、刻一刻とそれは広がっていく。いつの日か海に選ばれたものが女神の心を彼女に戻せば、海は再び平和になるだろう。みたいな。
で、選ばれたのはあやたかでしたじゃなくてモアナでした。だめだ集中力が切れてきた。頑張ります。
モアナの暮らす島は平和だった。が、ある日ヤシの木は枯れ、魚が消え、異変が起こる。モアナは祖母から自分かせ子供の頃に海に選ばれていたこと、女神の心を渡される。そして自分たちの祖先は実は島に定住していたのではなく、島を渡って暮らしていたのだと知る。モアナは父である族長に自分が女神に心を返しに行くと告げるが厳しく叱責される。それでも彼女は遺されていた船を駆って島の外へ、サンゴ礁の外へと旅立つ。海の協力もあって、辿り着いたのは岩だらけの小島。そこには、女神の心を奪った罰でその島に1000年も閉じ込められていたという伝説の戦士マウイがいた。彼と共に女神に心を返しに行こうとするモアナだったが、女神がいる島の前には溶岩の悪魔がいる。マウイが一度負けた悪魔だ。行く気のないマウイ。それに、と彼は言う。「神の釣り針がないと」
……ってここまで書いて、「あ、ウィキに大体書いてあるじゃん」って思ったのでこんなとこでいいですか?←
溶岩の悪魔が実は心を奪われた女神で、悪魔に心を戻したらちゃんと元通りになりましたとさめでたしめでたし、的な感じでした。
この映画、ほのぼのハワイアンかと思いきや、がっつりアクションです。ファンタジーです。舞台を陸地に、溶岩の悪魔をドラゴンに、モアナは少年に変えればふつーに西洋ファンタジーじゃね?という感じです。むしろ。モアナが女の子である必要性を感じなーい! ジェンダー的なアレですかー? 女の子主人公の方が商業的にイケるってことですかー? だったらマウイを女戦士にしてくれた方が面白かったんじゃないですかー? なんてねー!
序盤に出てくるブタが相方的なヤツかと思いきや、今回のマスコットキャラクターはニワトリです。
あとは、ねー。
是非書きたかったのはおばあちゃんの話ですよ。
族長の母親なので、たぶん妻だろうなって思うのですけど、彼女は海に憧れていたんですよ、きっと。幼い頃から村に伝わる話とかたくさん聞いてね。海の選ばれるのか自分じゃないかってドキドキしてたんですよ。サンゴ礁の向こうにだっていきたかった。でも、いつまでたってもきざしはなくて。自分じゃなかった選ばれなかった。胸に燻る思い。年老いて、そんな気持ちとも折り合いがついた頃、自分の孫が、目の前でさまに海に選ばれる様子を見てしまう。その、心境たるや……!
切ない。かなり。作中序盤でおばあちゃんは亡くなってしまうのですけど、背中にエイのタトゥーを彫っていて、「死んだらエイになって戻ってくるよ」と言っていた通り、作中では光るエイが何度か登場します。その様子には屈託はまるでなくて、亡くなって葛藤から解き放たれたのかなぁ、とか思うと……おばあちゃん……!
ちなみにマウイの話も書きたかったんでした。
彼は物語として伝わっている設定では半神みたいなですけど、本当は母に捨てられた子で、海だったか神だったかに育てられたんですね。だから人間なんですけど、神から「神の釣り針」を与えられて変身する力とかを手に入れた、と。
でも思うんですけど、マウイって本当に親に捨てられたのか、と。本当は幼子のモアナがそうだったように赤子の頃に海に選ばれて、それを見た母が海へと捧げたんじゃないの、と思うわけです。マウイの体は刺青だらけで、それは彫ったのではなくて勝手に現れるもので、内容は彼が成し遂げてきたことだったり、彼の来歴だったりで、赤子の頃に母に捨てられた様子も彫られているんですけど、これって本人がそう思ってるからそのように描かれてるだけなんじゃないのかなーって思います。彼自身は捨てられた子だと思っているので、人間から愛されたくて、島を引き上げたり火を盗んだり、人が欲しいって言ったから女神から心も盗んだんですよね。愛に飢えた英雄。そういう様式として必要な設定だったのかなー、とか。後々この辺の設定はフォローがくると嬉しいけど、ないだろーなぁ。ディズニー作品って後で短編きたりするので、どうにかこうにかならないかなぁ、とか思ったり。
あー、短編で思い出しました。
ディズニー作品は本編の前に別の短編を流すんですけど、モアナの前に流れる短編アニメは、あれは社畜に重大なダメージを与えるヤツですので、注意が必要です。
以上。長い。
次はララランド観るよ!
とはいえ、アサシンクリード観たの結構前なので内容がアレなんですけど…。
アサシンクリード
古来よりアサシン教団とテンプル騎士団は戦ってきた。
自由を求める教団と、人間の意志を統制しようとする騎士団。
古代宇宙人からもたらされた、人間の意志を操る知恵の林檎。1400年代、レコンキスタ吹き荒れるスペインの地でアサシン教団のひとりが最後に手にして以来、その行方は杳として知れない。
そして現代。騎士団を母体とするアブスターゴ社は遺伝子から祖先の記憶を抽出する技術を確立した。
彼らはアサシン教団の子孫たちから記憶を抽出し、知恵の林檎の行方を追っていた。
最後に知恵の林檎を持っていたアサシン教団のひとり、アギラールの子孫であるカラムは死刑囚であった。刑が執行されたあと。死んだはずのカラムはアブスターゴ社に回収され、蘇生される。知恵の林檎の行方を探すため、記憶の抽出をされるカラム。
彼は祖先の記憶を追体験するなかで、アサシン教団の使命を知り、実感し、使命を得る。知恵の林檎を騎士団に渡してはならない。何者からも守らなければ。だが時すでに遅く、その使命を自覚したときには記憶の追体験の中で知恵の林檎の場所をアブスターゴ社に、騎士団に知られてしまう。
騎士団は林檎を手に入れ、そしてそれを披露される場にカラムは現れた。混乱する会場の中から知恵の林檎を奪い取り、そしてカラムは姿を消した。
……まー、色々あるんですけど、そんな感じの話です。話としてはストレートな感じですかね。端々を見ると色々あるんですけど、ともかくこの映画の見所はなんといってもアクションです。すごい。アサシンつおい。
個人的にソーシャルゲーム(FGO)でアサシンさんたちにお世話になっているので、その意味合いも含めて観に行ったとこがあります。山の翁ちょうつおい。いや、出てきてませんけど。ハサンさんたち出ませんでしたけどね。
建物をびょんびょん飛んで超動きます。速いすごいつよい。ええと、他になんかあるかなー?←
SING
……ところで、私はご存じの通り名前を覚えるのが苦手です。
今回の映画のキャラクターたちは動物なので、動物の名前でお話していいですかね。いいですよね。うん。
コアラは子供の頃、劇場でショーを見たことがある。それは大女優が歌い上げる見事なショー。コアラは決心した。僕は将来この劇場でこんなショーをするんだ、と。
そして数十年後、コアラは父親が毛が痩せるほど働いて貯めてくれた金で劇場を買い、晴れて支配人となった。……だが、コアラが仕掛けるショーは悉く当たらず、劇場はたちまち経営難になってしまう。銀行からの電話はひっきりなしにかかってくるし、従業員に給金も払えない。
起死回生の一手としてコアラが思いついたのは歌のオーディションだった。賞金は丁度手元にあって98ドルに、少し足した100ドル。……そのはずだったのだが、秘書のカメレオンのうっかりミスで10000ドルと明記したチラシが町中に広まってしまった。
翌日にはたくさんの生き物がオーディションにやってくる。コアラが賞金の打ち間違いに気付いたのは、オーディションが終わり合格者を数名に絞って、さぁ本番に向かって稽古を、という段になってからだった。どうしよう、と焦るコアラ。
オーディションにはたくさんの生き物がきていた。
音楽院を出ていることを鼻にかけた自信家で嫌味なネズミ。
ギャングの息子で悪事の片棒を担がされているけれど夢は歌手で自身も心優しいゴリラの青年。
25人の子育てに追われて、自分を見失いかけていたブタの主婦。
彼氏と一緒にロックシンガーをしているハリネズミの少女。
そして、とびきり歌が上手いのに恥ずかしがり屋で他人の前では歌うことができないゾウの少女。……彼女は結局オーディションでも歌うことが出来ず、舞台装置係りとして劇場に関わることになったのだが。
本番前のリハーサルの日。
コアラはこの日にかけていた。友人であるヒツジの祖母は大金持ちであると同時に、コアラが幼い頃に劇場で観たショーで歌っていた大女優その人でもあった。彼女にスポンサーになってもらえれば……!
だが、リハーサルは最悪の形で終わった。
ネズミがカジノでイカサマをした相手が乗り込んできたり、賞金がまったく用意できていないことが発覚したり、そしてこのショーのために無理な増改築をしたせいで、劇場自体が根こそぎ崩れ去ってしまったのだ。
落ち込むコアラ。
もう駄目だ。
コアラは友人であるヒツジのところに転がり込んで自堕落な生活を送っていた。そこにオーディションで合格した動物たちがやってくる。コンサートをしようと誘ってくる。折角練習したのだから、と。だがもう劇場はない。コアラは彼らの誘いを断る。
そんなコアラの心を動かしたのは歌声だった。
ゾウの少女が誰もいなくなった劇場の跡地で歌っていたのだった。
「いまみたいに、みんなの前で歌えるかい?」
「わからない。……けど、やってみたい」
コアラは皆と劇場の跡地を野外劇場に改造してコンサートを開くことにした。集まってくるのは出演者の家族だけ。そしてこの騒ぎですっかりやっかいもの、お騒がせもの扱いになったコアラを面白おかしく揶揄して放送するテレビ局。
だが、始まってみるとそれはド素人のお遊戯会ではなく、立派なエンターテイメントショーだった。しかもテレビで中継されている。どんどん集まってくる観客。
ブタの主婦は見事なダンスと歌声で魅せ、ゴリラの青年は甘い歌声と繊細なピアノを奏で、ハリネズミの少女は失恋(したんです)の怒りを見事にロックへ昇華してみせた。ネズミはしっとり豊かな歌声で魅了し、そしてゾウの少女の圧倒的な歌声。
ショーは成功だった。その観客の中には散々だったリハーサルで怒って帰ってしまったあの大女優もいた。
結局コアラは劇場を売りに出したが、それを買ったのはヒツジの大女優で、彼女はそこに劇場を再建。コアラは再び劇場の支配人としてスタートをきったのだった。
と、いうお話。まあ他にも色々あるんですけど。洗車シーンとか。色々あるんですけど。爆笑必死の洗車シーンとか。そこだけでも見てほしい洗車シーンとか。
ともかくこの映画の見所は歌声です。その他、個々のエピソードは深く考えると結構重いんですけど。ブタの主婦とかはダンナの無関心とか色々切ないっつーか、ゴリラの子だって親超ギャングで強盗してムショ行きなんですけどそこんとこ大丈夫なのとか、色々。
ちなみに、ブタの主婦は坂本真綾さん(歌上手い)。ゴリラのこはスキマスイッチのピアノじゃない方(歌上手)。ハリネズミは長澤まさみ(歌、上手なんスね)。ネズミは山寺さんだし(歌上手いに決まってるよね)、ゾウの少女に至ってはMISIAですよ。そりゃ上手いよ。そりゃ野外セットの壁もバターンって倒れるよ。声量でバターンってなるよ。上手いよ、そりゃあ。
で、びっくりするのがキャストの中に声優さんでも歌上手いっスよねっていう水樹奈々さんと宮野真守氏が出てるのに全然歌ってないってことですね! なんという! なんという声優の無駄遣い! 宮野さんはちなみに友達の方のヒツジなんで出てるの分かったんですけど、水樹さんは最後のスタッフロールで確認するまで分からなかったなぁ。無駄遣いだなぁ。
まあなんとも聴きごたえのある歌がバシバシでした。もっと洋楽詳しかったらもっと楽しいのでしょうねー、という感じでしたけども。
なんだか続編も作成するみたいですねー。どう考えてもコアラに経営能力なさそうなんで、またバタバタになるのは目に見えてるんですよねー。続編の話はどうとでもなりそうな感じ。
モアナと伝説の海
ところで名前が(二回目)。
モアナ…主人公。女の子。14~5歳? 推定。劇中で八歳とかって言われてますけど、これってからかって言ってるだけよね? 島の族長の娘で次期族長。幼い頃に海に選ばれた。島の禁忌である「サンゴ礁より沖に行ってはいけない」という掟を破って遠くの海に行きたい。
マウイ…大昔に神から授かった釣り針で様々に姿を変えることができる戦士。火を盗み、島を引き上げ、ウナギを植えてココナッツを作ったという英雄。が、調子に乗ったマウイは女神から「全てを生み出す」心を盗み出してしまう。すると大地からマグマの悪魔が心を奪いにあらわれ、マウイは悪魔に敗れ、神の釣り針と女神の心は海の底へと沈んでしまった。マウイは岩だらけの小島に1000年も閉じ込められてしまうことになる。
モアナのおばあちゃん…前族長の妻。だと思う。彼女自身が族長ではないと思うのよね。島の変わり者。語り部。海へ行きたい、沖へ出たいというモアナの想いに理解を示す人物。モアナが子供の頃に海に選ばれたところを目撃している。具体的に言うと、赤子だったモアナに、海に沈んだ女神の心(見た目は緑の宝石みたいの)を渡す場面を見ている。そのときはやってきたモアナの父にモアナのみ回収されて女神の石は放置だったが、おばあちゃんがきちんと回収した。
古代の物語。
最初に海があった。やがて女神が現れ、彼女が島を産み、命を作った。全てを生み出す彼女の心。それを色んなものが狙ったが、とうとう人間の戦士マウイによって奪われてしまう。マウイは溶岩の悪魔に敗れ、女神の心の石は海底へと消え、海は魔物たちが徘徊する恐ろしいものになってしまった。海は毒に染まり、刻一刻とそれは広がっていく。いつの日か海に選ばれたものが女神の心を彼女に戻せば、海は再び平和になるだろう。みたいな。
で、選ばれたのはあやたかでしたじゃなくてモアナでした。だめだ集中力が切れてきた。頑張ります。
モアナの暮らす島は平和だった。が、ある日ヤシの木は枯れ、魚が消え、異変が起こる。モアナは祖母から自分かせ子供の頃に海に選ばれていたこと、女神の心を渡される。そして自分たちの祖先は実は島に定住していたのではなく、島を渡って暮らしていたのだと知る。モアナは父である族長に自分が女神に心を返しに行くと告げるが厳しく叱責される。それでも彼女は遺されていた船を駆って島の外へ、サンゴ礁の外へと旅立つ。海の協力もあって、辿り着いたのは岩だらけの小島。そこには、女神の心を奪った罰でその島に1000年も閉じ込められていたという伝説の戦士マウイがいた。彼と共に女神に心を返しに行こうとするモアナだったが、女神がいる島の前には溶岩の悪魔がいる。マウイが一度負けた悪魔だ。行く気のないマウイ。それに、と彼は言う。「神の釣り針がないと」
……ってここまで書いて、「あ、ウィキに大体書いてあるじゃん」って思ったのでこんなとこでいいですか?←
溶岩の悪魔が実は心を奪われた女神で、悪魔に心を戻したらちゃんと元通りになりましたとさめでたしめでたし、的な感じでした。
この映画、ほのぼのハワイアンかと思いきや、がっつりアクションです。ファンタジーです。舞台を陸地に、溶岩の悪魔をドラゴンに、モアナは少年に変えればふつーに西洋ファンタジーじゃね?という感じです。むしろ。モアナが女の子である必要性を感じなーい! ジェンダー的なアレですかー? 女の子主人公の方が商業的にイケるってことですかー? だったらマウイを女戦士にしてくれた方が面白かったんじゃないですかー? なんてねー!
序盤に出てくるブタが相方的なヤツかと思いきや、今回のマスコットキャラクターはニワトリです。
あとは、ねー。
是非書きたかったのはおばあちゃんの話ですよ。
族長の母親なので、たぶん妻だろうなって思うのですけど、彼女は海に憧れていたんですよ、きっと。幼い頃から村に伝わる話とかたくさん聞いてね。海の選ばれるのか自分じゃないかってドキドキしてたんですよ。サンゴ礁の向こうにだっていきたかった。でも、いつまでたってもきざしはなくて。自分じゃなかった選ばれなかった。胸に燻る思い。年老いて、そんな気持ちとも折り合いがついた頃、自分の孫が、目の前でさまに海に選ばれる様子を見てしまう。その、心境たるや……!
切ない。かなり。作中序盤でおばあちゃんは亡くなってしまうのですけど、背中にエイのタトゥーを彫っていて、「死んだらエイになって戻ってくるよ」と言っていた通り、作中では光るエイが何度か登場します。その様子には屈託はまるでなくて、亡くなって葛藤から解き放たれたのかなぁ、とか思うと……おばあちゃん……!
ちなみにマウイの話も書きたかったんでした。
彼は物語として伝わっている設定では半神みたいなですけど、本当は母に捨てられた子で、海だったか神だったかに育てられたんですね。だから人間なんですけど、神から「神の釣り針」を与えられて変身する力とかを手に入れた、と。
でも思うんですけど、マウイって本当に親に捨てられたのか、と。本当は幼子のモアナがそうだったように赤子の頃に海に選ばれて、それを見た母が海へと捧げたんじゃないの、と思うわけです。マウイの体は刺青だらけで、それは彫ったのではなくて勝手に現れるもので、内容は彼が成し遂げてきたことだったり、彼の来歴だったりで、赤子の頃に母に捨てられた様子も彫られているんですけど、これって本人がそう思ってるからそのように描かれてるだけなんじゃないのかなーって思います。彼自身は捨てられた子だと思っているので、人間から愛されたくて、島を引き上げたり火を盗んだり、人が欲しいって言ったから女神から心も盗んだんですよね。愛に飢えた英雄。そういう様式として必要な設定だったのかなー、とか。後々この辺の設定はフォローがくると嬉しいけど、ないだろーなぁ。ディズニー作品って後で短編きたりするので、どうにかこうにかならないかなぁ、とか思ったり。
あー、短編で思い出しました。
ディズニー作品は本編の前に別の短編を流すんですけど、モアナの前に流れる短編アニメは、あれは社畜に重大なダメージを与えるヤツですので、注意が必要です。
以上。長い。
次はララランド観るよ!
Posted on 2017/03/22 Wed. 23:06 [edit]
category: 感想。
22
一日だから映画観ました。
ドクター・ストレンジ 観てきました。
以下よりネタバレあり感想です。
以下よりネタバレあり感想です。
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感想。
映像、すごかったねー。
……以上。
う、うん、以上なんですよ。要約すると。つまらない映画というには惜しいけれど、超楽しかったかといえばそうでもなく。
「原作ありき」「続編ありき」な内容のせいなのかなー、と思います。
物語自体はちゃんと?終わってる、ような気もしないこともない、んですけれど。
あー、つまりはたぶんカタルシスがないのか、そうか。一番のカタルシスが「映像」であるわけで、それを物語に求めたいのでちょっとアレだなぁ、と思ったのだと思いました。
内容です。
超高慢な凄腕外科医がスマホわき見運転で事故り、両腕を大けが。外科医としては死亡。諦めきれずに、「ネパールで修業したら脊髄神経死んでたけど治った」という元患者の言葉を信じてネパールへ。
その修業とは魔術の修業であった。
なんやかんやで至高の魔術師「エンシェント・ワン」に弟子入りする外科医。なんやかんやで魔術を学び、まあまあ扱えるようになった。けれど手は、麻痺はあるけど生活に支障がない程度まで治っているけれど、外科手術には到底使えないまま。ある日、図書室でエンシェント・ワンの蔵書の中で「禁術」とされている文献を見つける。閲覧は自由。実行は禁止。破り取られたページ。それは外科医が弟子入りする前、エンシェントの弟子数名が禁術に手を出すべくページを破って持ち去ってしまったのだった。
魔術師は古来より、多次元宇宙の害悪から地球を守っていた。結界を張っていて拠点はニューヨーク、ロンドン、香港の三か所。
反旗を翻した魔術師たちは多次元宇宙のひとつの魔王から、永遠の生を世界にもたらそうとしていた。誰も死なない楽園を。
魔術師たちは「自然の摂理に反する」ことを禁じていた。
魔王を地球に呼び込もうとした弟子によってニューヨーク、ロンドンの拠点は破られ、その過程でエンシェント・ワンまで殺されてしまう。その中で、弟子たちにはきつく魔王の力を禁じていたエンシェント・ワンこそがその力を使っていたのだと暴かれてしまう。エンシェントの側近はそれを受け入れられずに苦悩する。弟子に禁じていながら自分は使うなど、その偽善が弟子たちの反旗を招いたんじゃないか、と。
外科医はエンシェント・ワンの死ぬ間際、精神世界で「大いなる善を成すために必要だった」と言った。側近の彼は魂が固いので受け入れられないかも知れないが、外科医は違うと。
そうして最後の拠点、香港で弟子たちと戦う外科医と側近。結局魔王は呼びこまれてしまうが、外科医が時間をループさせる魔術を行使することによって退けることに成功する。反旗を翻した弟子たちとともに、魔王は自分の次元へと戻って行った。
はーやれやれ終わった、と息をつく外科医。だがエンシェント・ワンの側近だった男は外科医が時間を戻したことを「自然の摂理に反した行いだ」となじる。
「もうおまえたちと同じ道は進めない」と言って去って行った。
以上です。おおまかなストーリーです。
登場人物は外科医と、エンシェントさんと、側近くんと裏切った弟子たちと、魔王と、あと蔵書を守ってる太っちょの魔術師さんがいます。ふとっちょさんは最後一緒に戦ってます。
これ、ねー。二時間でやるんだからもうちょっとシンプルでもいいと思うんだよねー。
登場人物、せめて外科医と側近は一人にまとめてしまった方が良かったと思うのね。側近さん過去に辛いことがあってある意味狂信的にエンシェントを信じていたのに裏切られて、最終的に「魔術は自然に反するぜ」ってんで魔術師狩りみたいなことやりだしそうな感じになってたんだけど、ええと。
外科医がすごい裏切りにあって事故にでもあって、そこをエンシェントに救われて妄信的に信じてたんだけど、エンシェントが魔の力を使ってたことにショック受けて信じられなくなったけど、考えなおして、うんぬん、みたいな。
そうよね、その側近さんが微妙な立ち位置なのよね。もうちょっと存在を活かすか、ぼやけさせるかしてもらった方が良かったんじゃないの、って思う。
けど、これ原作知ってたらそんなこと露ほど思わないのかしらねー、とか。
でも映像はすごかった……のかなー。万華鏡みたいな世界の中で戦闘シーンが繰り広げられたんですけど、これ3Dでもやってるんですよね、間違いなく酔うね!
対魔王でも、タイムループの中に叩き込んで「出してほしかったら地球から手を引け。ついでに反旗翻した弟子たちもつれてけ」ってんで撃退してますし。ラノベ的だなー、と思ってしまった。エンドレスエイトか、と。さすがに異次元の魔王もエンドレスエイトはこたえたか、と。
あぁ、あと映画の中のチャーミングを一身に背負うマントちゃんは、もっとあざとくアピールしてくれでいいのに!! なんで外科医を気に入ったのか全然分からないんだけどね! その辺のアピールもおくれよ、という感じ。
あー、なんだ、つまりは全体的に物語が弱かった、ということかな!
エンシェント・ワンさんの造詣・設定は良かったね! ナイスまる坊主でケルト人で美人女性ですげえ強くて双扇使いってナニソレー!! 詰め込みすぎー!! たのしー!!
次はララランド観たい。あとアサシンクリード観る。
感想。
映像、すごかったねー。
……以上。
う、うん、以上なんですよ。要約すると。つまらない映画というには惜しいけれど、超楽しかったかといえばそうでもなく。
「原作ありき」「続編ありき」な内容のせいなのかなー、と思います。
物語自体はちゃんと?終わってる、ような気もしないこともない、んですけれど。
あー、つまりはたぶんカタルシスがないのか、そうか。一番のカタルシスが「映像」であるわけで、それを物語に求めたいのでちょっとアレだなぁ、と思ったのだと思いました。
内容です。
超高慢な凄腕外科医がスマホわき見運転で事故り、両腕を大けが。外科医としては死亡。諦めきれずに、「ネパールで修業したら脊髄神経死んでたけど治った」という元患者の言葉を信じてネパールへ。
その修業とは魔術の修業であった。
なんやかんやで至高の魔術師「エンシェント・ワン」に弟子入りする外科医。なんやかんやで魔術を学び、まあまあ扱えるようになった。けれど手は、麻痺はあるけど生活に支障がない程度まで治っているけれど、外科手術には到底使えないまま。ある日、図書室でエンシェント・ワンの蔵書の中で「禁術」とされている文献を見つける。閲覧は自由。実行は禁止。破り取られたページ。それは外科医が弟子入りする前、エンシェントの弟子数名が禁術に手を出すべくページを破って持ち去ってしまったのだった。
魔術師は古来より、多次元宇宙の害悪から地球を守っていた。結界を張っていて拠点はニューヨーク、ロンドン、香港の三か所。
反旗を翻した魔術師たちは多次元宇宙のひとつの魔王から、永遠の生を世界にもたらそうとしていた。誰も死なない楽園を。
魔術師たちは「自然の摂理に反する」ことを禁じていた。
魔王を地球に呼び込もうとした弟子によってニューヨーク、ロンドンの拠点は破られ、その過程でエンシェント・ワンまで殺されてしまう。その中で、弟子たちにはきつく魔王の力を禁じていたエンシェント・ワンこそがその力を使っていたのだと暴かれてしまう。エンシェントの側近はそれを受け入れられずに苦悩する。弟子に禁じていながら自分は使うなど、その偽善が弟子たちの反旗を招いたんじゃないか、と。
外科医はエンシェント・ワンの死ぬ間際、精神世界で「大いなる善を成すために必要だった」と言った。側近の彼は魂が固いので受け入れられないかも知れないが、外科医は違うと。
そうして最後の拠点、香港で弟子たちと戦う外科医と側近。結局魔王は呼びこまれてしまうが、外科医が時間をループさせる魔術を行使することによって退けることに成功する。反旗を翻した弟子たちとともに、魔王は自分の次元へと戻って行った。
はーやれやれ終わった、と息をつく外科医。だがエンシェント・ワンの側近だった男は外科医が時間を戻したことを「自然の摂理に反した行いだ」となじる。
「もうおまえたちと同じ道は進めない」と言って去って行った。
以上です。おおまかなストーリーです。
登場人物は外科医と、エンシェントさんと、側近くんと裏切った弟子たちと、魔王と、あと蔵書を守ってる太っちょの魔術師さんがいます。ふとっちょさんは最後一緒に戦ってます。
これ、ねー。二時間でやるんだからもうちょっとシンプルでもいいと思うんだよねー。
登場人物、せめて外科医と側近は一人にまとめてしまった方が良かったと思うのね。側近さん過去に辛いことがあってある意味狂信的にエンシェントを信じていたのに裏切られて、最終的に「魔術は自然に反するぜ」ってんで魔術師狩りみたいなことやりだしそうな感じになってたんだけど、ええと。
外科医がすごい裏切りにあって事故にでもあって、そこをエンシェントに救われて妄信的に信じてたんだけど、エンシェントが魔の力を使ってたことにショック受けて信じられなくなったけど、考えなおして、うんぬん、みたいな。
そうよね、その側近さんが微妙な立ち位置なのよね。もうちょっと存在を活かすか、ぼやけさせるかしてもらった方が良かったんじゃないの、って思う。
けど、これ原作知ってたらそんなこと露ほど思わないのかしらねー、とか。
でも映像はすごかった……のかなー。万華鏡みたいな世界の中で戦闘シーンが繰り広げられたんですけど、これ3Dでもやってるんですよね、間違いなく酔うね!
対魔王でも、タイムループの中に叩き込んで「出してほしかったら地球から手を引け。ついでに反旗翻した弟子たちもつれてけ」ってんで撃退してますし。ラノベ的だなー、と思ってしまった。エンドレスエイトか、と。さすがに異次元の魔王もエンドレスエイトはこたえたか、と。
あぁ、あと映画の中のチャーミングを一身に背負うマントちゃんは、もっとあざとくアピールしてくれでいいのに!! なんで外科医を気に入ったのか全然分からないんだけどね! その辺のアピールもおくれよ、という感じ。
あー、なんだ、つまりは全体的に物語が弱かった、ということかな!
エンシェント・ワンさんの造詣・設定は良かったね! ナイスまる坊主でケルト人で美人女性ですげえ強くて双扇使いってナニソレー!! 詰め込みすぎー!! たのしー!!
次はララランド観たい。あとアサシンクリード観る。
Posted on 2017/03/01 Wed. 23:44 [edit]
category: 感想。
01
カイユリ小話「なんで、どうして」
バレンタイン小話を書いたら、朔ちゃんがクロスカウンターくれたのでこっちはアッパーで返すよ!←だいぶ違います。
前の話はこちら。
卯月 朔様の素敵バレンタイン小話はこっち。
で、朔ちゃんの話の続き書こうかと思ったけど、別の内容で滾ったので、とりあえずこっちから先に書くかなー、ということで以下からですどうぞ。
私の前の話を読んだ方が良いかも知れないけど、大丈夫、かも知れない。
前の話はこちら。
卯月 朔様の素敵バレンタイン小話はこっち。
で、朔ちゃんの話の続き書こうかと思ったけど、別の内容で滾ったので、とりあえずこっちから先に書くかなー、ということで以下からですどうぞ。
私の前の話を読んだ方が良いかも知れないけど、大丈夫、かも知れない。
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どうして、なんで
地上に十一人人しかおらぬ始祖の中でも極東に位置する島国の半分を治める天羅その人の右側にその人ありと言わしめるスカし眼鏡ことキリヤマと、大陸が誇る鬼神の中でも大輪の花と称され夜な夜なきらびやかな人々の中で戯れに耽り多くを酔わせる美酒と謳われたジンホァが、天羅が所有する古びたマンションの前で出会ったのは、これに関しては全くの偶然であった。
お互いに気付いたのはほぼ同時。
対峙する二人。
距離にして5、6メートルはあるだろうか。
まず、動いたのはキリヤマであった。
擬音にすれば「にこり」という態で微笑む。
「おや。どなたかと思えばはぐれ吸血鬼のジンホァさんではありませんか。こんな所で出会うなんて、偶然ですね」
微笑みが全て好意によるとは限らない。
そんな教本としてぴったりの笑顔を貼りつかせたまま口を開いたキリヤマ。
口調も抑揚も声音も全て好意的であるのだが、どうしてここまで敵意をむき出しに示せるのだろうか。
腐っても百年生きた年の功というやつなのか否か。
ともかく、その針の如き敵意を受けたジンホァは、内心はともかくとして外面だけは完璧であった。
「これはこれは。天羅の側近様が、こんな場所に護衛も付けずに不用心なことだ。どこかの凶暴なはぐれどもに襲われないうちに、お偉い天羅様の元に帰った方が良いのでは?」
わずかに口角を上げ、両目を針金のように細めた様子は、こちらもまた笑っているようにも見えるが、全く少しも笑ってなどいないのは明らかだった。
「お気遣いには及びません。用事があるのはこのマンションなので」
「それは奇遇だな。俺もこのマンションに用がある」
「ほぅ、この、天羅所有のマンションにどんな御用でしょうか。こちらで承りますが」
「いやいや、まさか天羅の右腕を煩わすわけにはいくまい」
「いえいえ、……あなたには、そういえば、先日うちのアムリタがお世話になったようですし、そちらのお礼もしなければならないと思っていたところですし」
「そちらの、アムリタ。幼気な少女を無理やりそう仕立てたアムリタ、であれば面識はあるのだが、その彼女で間違いはないか?」
「これは異なことを。正直親切公共利益を信条にしている我ら天羅が。まさかそんな事をしていると本気で信じていらっしゃる?」
「ふふふ、それはどうかな」
「はははは」
「ふふふふふ」
「はっはっはっは」
「……うるせェよ」
人ン家の前で陰険漫才してンじゃねェよ、とマンションの中から現れたのは褐色の肌の青年。
純々血の始祖血統であり現天羅の従弟にして、その地位の責任を少しも果たそうとはせず、ただただ料理などで時間を無為に過ごしている褐色銀髪コックであるカイであった。
「「出たな、諸悪の根源!」」
「……あァ?」
寝耳に水。
「あなたでしょう。いいえ、いいえ! 言わなくてもわかっていますとも。あなた、一体どういうつもりなんですか本当に。馬鹿だ馬鹿だとは思っていましたけど、本気で馬鹿ですね、あなたは」
「貴様、自分がなにをやったか本当に理解しているのだろうな! こっちがどれだけ迷惑したと思っているんだこの駄犬が! 貴重なバレンタインという日をどうして貴様ごときに邪魔されなければならない!」
「その通りです。やっと意見が合ったようですね、鬼神のゴクツブシ!」
「その通りだな、スカし眼鏡!」
がし、と手を固く握り合うゴクツブシとスカし眼鏡。
「なンの話だ!」
「あなたが!」
「バレンタインに!」
「ユリさんに作らせたどろだんごの話ですよ!」
「そのせいで、もうちょっとで食えるところが台無しだったろうが! どう責任取る気だ、貴様!」
「……それはちょっと案件では? あとで天羅屋敷で事情を確認したいところですね」
「は! ちんたらしている貴様らが悪いんだろう。そもそもユリも拒んだ様子はなかった」
「全力で拒んでいましたとも! ユリさんの細やかさは大陸の大雑把なあなた方には理解できていないだけで」
「こっちに伝わらなければ言っていないのと同義だろう」
「少女の意を汲むのが大人の大いなる責任でしょう」
「そんなもの、食べたあとで考えさせてもらおう」
「分かりました。つまりあなたを、生かしておくわけにはいかないようですね」
「そんなもの、最初から分かっていたんじゃないか」
「ヤるなら余所でやれ」
「「黙ってろ!」なさい!」
「なんなんだこの理不尽」
「そもそもあの食べ物を冒涜したかのごときものを生み出したカイが悪いんでしょうに!」
「あんなものを生み出して、よく平然としていられるな! あれがチョコレートなわけがあるまい!」
「それ、ほんとう?」
空気が凍結したようだった。
不意に投げかけられた少女の言葉が男三人から動きを奪う。
学校を終えて帰ってきたのはこのマンションの住人にして天羅が誇る最上のアムリタであり現状天羅の従弟の保護下にある少女、ユリであった。
つまり、先日のバレンタインでカイの指導のもと、この世のものとも思えないトリュフらしきチョコレートを生み出した少女である。そして彼女の好意と善意のもと、ここにいるキリヤマとその主である天羅、それからジンホァに贈った少女でもある。
「やっぱり、あれ、美味しくなかったんだね」
「いえ、あの」
「お、おい」
「うん、だって、そうだよね、すごい見た目だったもん。料理は見た目じゃないって言うかもだけど、あれはちょっと食べ物の見た目じゃなかったもんね。うん、私もね、ちょっとおかしいなって思ったんだ。でも、確かめることが出来なくて、そのままあげちゃって……ごめんね。ごめんなさい、キリヤマさん、ジン。あ、あと天羅のおじさんにも謝らないとだよね、うん。お詫びに、今度はちゃんとお店で、美味しいチョコ買うから、それで、ごめんね」
肩に掛けたショルダーバッグの持ち手を両手でぎゅっと握ったユリは俯いて、誰とも視線を合わせぬままに、口だけはすらすらと動いていく。
「あの、ユリさん」
「ちょっと待て」
「ごめんね、二人とも」
そうして、ぱっ、と顔を上げた。
眦には、つつけば割れそうな露。
だが下がり気味の眉をきっ、と上げ、同居人たるコックに叫ぶ。
「カイのバカァッ!」
流れ落ちる滴。
「カイは、カイはコックさんだから、いつも不真面目だけど、料理にはちゃんとしてるって思ってたから、だから見た目がすごくても味だけは大丈夫なんだろうなって思ってたのに、だから、……カイのバカ!」
叫びだけ残して、ユリはマンションの中へと走り去っていった。
残された男三人。
「……今日は、落ち着いてお話できる様子ではありませんので、出直します。ユリさんに、御館様も私も気にしていませんと伝えてください。全部不良コックが悪いと心得ていますので、と」
「こちらも出直そう。俺も気にしなくてもいいが、どうしてもというな二人きりでの埋め合わせに応じてやってもいい」
「……」
「で、なにやってるんですか、あなたは」
「馬鹿でグズとは、どうしようもないな」
あー、クソ。
「行きゃ良いンだろ、クソ」
「自業自得極まれりですね」
「とっとと帰れ!」
ユリには、大変屈辱的であるのだが、怒りが頂点に達すると泣いてしまう性質がある。
盛大に涙を零しながら自宅へと駆け込み、洗面所でバスタオルを引ったくってから自室のドアをばたんと閉めた。
悲しい。悔しい。恥ずかしい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
それから。
なんで。どうして。なぜ。どうして。
色んなものが後から後から湧いてきて、ひーひー言いながら、ユリはバスタオルにいくつも染みを作る。
がちゃり、と音がして、肩が跳ねる。
玄関のドアが開いた。
帰ってきた。
みし、と廊下が鳴る。ユリの部屋の前で止まる。ユリも息を潜めてしまう。
だって、どうして。
「ユリ」
……なに。
「いるか」
いるでしょ。他にどこにいるって言うの。
「さっきは、あー、なンだ」
だから、なに。
「……違ェな。チョコレートの話だな」
……そうだよ。
なんであんなことしたの。カイはコックさんじゃなかったの。コックさんって料理にプライドとか持ってるんじゃないの。材料を無駄にするようなことをしゃダメなんじゃないの。少なくとも、だって、いままでの、私の知ってるカイはそんな感じだったじゃない。それで、私も不安だったけど安心して、それで、あげたのに。だから、ああ、そっか。
カイに、裏切られて、悲しくて、つらくて、泣いてるんだ、私。
すん、と鼻が鳴る。
自覚すると、また目の前が涙で歪みだす。
だから、あまりよく聞こえなかった。
「悪かった」
そっと落とすような言葉。
滑り落ちてユリの元に届くまで、少しだけ時間がかかった。
だから、その空白を埋めるようになのか、カイはまた言葉を零す。
「二度は、ねェよ」
なにその言い方。まるで私が悪いみたいじゃん。なんか、言い回しとか。大体二度とないって、なにが、って話なんだけど。料理でふざけないってこと? それとも
「これっきりだ」
だから、なにが!
思いは言葉にはだが、ならなかった。
かわりに口をついて出たのは、
「……ほんとう?」
子供のような、そんな言葉。
掠れた呟きで、ユリ自身にも聞こえないほどだったが、カイはちゃんとそれをすくい上げる。
「ん」
一言で済ますし!
なんなの、このコック、なんなの! ちょっとイケメンだからって調子に乗って!
パタン、と音を立ててしめたはずのユリの部屋の扉か静かな音を立てて開く。
そう言えば鍵かけてなかったような。
扉の向こうに立ってたのは、バツの悪そうな顔をした不良コックで。
そんな顔をしていたのかと思うと、ユリは泣きながら笑ってしまった。
「……はー、もう」
最後になるだろう涙を、ユリはぐいぐいとバスタオルで拭う。
明日、目、腫れちゃうかな。
「カイ。ね、あのね」
なにも言わないが、微かに頷いたようで。
「三人と遊びたいんなら、私をダシにしなくてもいいのに。ちゃんと言えば構ってくれるよ?」
「違ェよ」
なんだそりゃ、とでも言いだけな顔のカイ。それを見て首を傾げるユリ。
「違うの?」
てっきり、三人と遊びたいからこんなことしたんだと思ったのに。
「じゃあ、どうして?」
「どうって、そりゃ……」
んん?
今度はカイが首を捻る。
「なんで、だ?」
「私に聞くの、それ?」
ふふ、と、また口から笑いが零れた。
後日。
天羅とキリヤマ、そしてジンホァの元には、味は抜群だが見た目はやっぱりちょっとだけいびつなトリュフチョコレートを配達する少女とコックの姿があったとかなんとか。
どう考えてもやっぱり自業自得じゃねぇか。 了。
バレンタイン、に見せかけた、これってカイさん嫉妬回なんじゃないのひゅーひゅー!という話。ユリちゃん泣かせてしまって、正直スマンかったと思っています。かわいい。泣くのかわいいよユリちゃん。
ジンホァさんとか久々すぎて一人称が怪しかったのだけれど、先に朔ちゃんがSS書いててくれたから助かりましたとかそんなこと、ある。ユリちゃんの口調もなー、気が緩むと女の子に寄ってしまうので、出来る限り女の子っぽくなく、それでいてユリちゃんっぽく、ええー、むずいー。←
朔ちゃんの投げたボールは、投げ返す用意はあるけど準備ができるかどうかはまた別の話だよね!←
※始祖の人数を七人から十一人に訂正いたしました! お詫びと感謝。
どうして、なんで
地上に十一人人しかおらぬ始祖の中でも極東に位置する島国の半分を治める天羅その人の右側にその人ありと言わしめるスカし眼鏡ことキリヤマと、大陸が誇る鬼神の中でも大輪の花と称され夜な夜なきらびやかな人々の中で戯れに耽り多くを酔わせる美酒と謳われたジンホァが、天羅が所有する古びたマンションの前で出会ったのは、これに関しては全くの偶然であった。
お互いに気付いたのはほぼ同時。
対峙する二人。
距離にして5、6メートルはあるだろうか。
まず、動いたのはキリヤマであった。
擬音にすれば「にこり」という態で微笑む。
「おや。どなたかと思えばはぐれ吸血鬼のジンホァさんではありませんか。こんな所で出会うなんて、偶然ですね」
微笑みが全て好意によるとは限らない。
そんな教本としてぴったりの笑顔を貼りつかせたまま口を開いたキリヤマ。
口調も抑揚も声音も全て好意的であるのだが、どうしてここまで敵意をむき出しに示せるのだろうか。
腐っても百年生きた年の功というやつなのか否か。
ともかく、その針の如き敵意を受けたジンホァは、内心はともかくとして外面だけは完璧であった。
「これはこれは。天羅の側近様が、こんな場所に護衛も付けずに不用心なことだ。どこかの凶暴なはぐれどもに襲われないうちに、お偉い天羅様の元に帰った方が良いのでは?」
わずかに口角を上げ、両目を針金のように細めた様子は、こちらもまた笑っているようにも見えるが、全く少しも笑ってなどいないのは明らかだった。
「お気遣いには及びません。用事があるのはこのマンションなので」
「それは奇遇だな。俺もこのマンションに用がある」
「ほぅ、この、天羅所有のマンションにどんな御用でしょうか。こちらで承りますが」
「いやいや、まさか天羅の右腕を煩わすわけにはいくまい」
「いえいえ、……あなたには、そういえば、先日うちのアムリタがお世話になったようですし、そちらのお礼もしなければならないと思っていたところですし」
「そちらの、アムリタ。幼気な少女を無理やりそう仕立てたアムリタ、であれば面識はあるのだが、その彼女で間違いはないか?」
「これは異なことを。正直親切公共利益を信条にしている我ら天羅が。まさかそんな事をしていると本気で信じていらっしゃる?」
「ふふふ、それはどうかな」
「はははは」
「ふふふふふ」
「はっはっはっは」
「……うるせェよ」
人ン家の前で陰険漫才してンじゃねェよ、とマンションの中から現れたのは褐色の肌の青年。
純々血の始祖血統であり現天羅の従弟にして、その地位の責任を少しも果たそうとはせず、ただただ料理などで時間を無為に過ごしている褐色銀髪コックであるカイであった。
「「出たな、諸悪の根源!」」
「……あァ?」
寝耳に水。
「あなたでしょう。いいえ、いいえ! 言わなくてもわかっていますとも。あなた、一体どういうつもりなんですか本当に。馬鹿だ馬鹿だとは思っていましたけど、本気で馬鹿ですね、あなたは」
「貴様、自分がなにをやったか本当に理解しているのだろうな! こっちがどれだけ迷惑したと思っているんだこの駄犬が! 貴重なバレンタインという日をどうして貴様ごときに邪魔されなければならない!」
「その通りです。やっと意見が合ったようですね、鬼神のゴクツブシ!」
「その通りだな、スカし眼鏡!」
がし、と手を固く握り合うゴクツブシとスカし眼鏡。
「なンの話だ!」
「あなたが!」
「バレンタインに!」
「ユリさんに作らせたどろだんごの話ですよ!」
「そのせいで、もうちょっとで食えるところが台無しだったろうが! どう責任取る気だ、貴様!」
「……それはちょっと案件では? あとで天羅屋敷で事情を確認したいところですね」
「は! ちんたらしている貴様らが悪いんだろう。そもそもユリも拒んだ様子はなかった」
「全力で拒んでいましたとも! ユリさんの細やかさは大陸の大雑把なあなた方には理解できていないだけで」
「こっちに伝わらなければ言っていないのと同義だろう」
「少女の意を汲むのが大人の大いなる責任でしょう」
「そんなもの、食べたあとで考えさせてもらおう」
「分かりました。つまりあなたを、生かしておくわけにはいかないようですね」
「そんなもの、最初から分かっていたんじゃないか」
「ヤるなら余所でやれ」
「「黙ってろ!」なさい!」
「なんなんだこの理不尽」
「そもそもあの食べ物を冒涜したかのごときものを生み出したカイが悪いんでしょうに!」
「あんなものを生み出して、よく平然としていられるな! あれがチョコレートなわけがあるまい!」
「それ、ほんとう?」
空気が凍結したようだった。
不意に投げかけられた少女の言葉が男三人から動きを奪う。
学校を終えて帰ってきたのはこのマンションの住人にして天羅が誇る最上のアムリタであり現状天羅の従弟の保護下にある少女、ユリであった。
つまり、先日のバレンタインでカイの指導のもと、この世のものとも思えないトリュフらしきチョコレートを生み出した少女である。そして彼女の好意と善意のもと、ここにいるキリヤマとその主である天羅、それからジンホァに贈った少女でもある。
「やっぱり、あれ、美味しくなかったんだね」
「いえ、あの」
「お、おい」
「うん、だって、そうだよね、すごい見た目だったもん。料理は見た目じゃないって言うかもだけど、あれはちょっと食べ物の見た目じゃなかったもんね。うん、私もね、ちょっとおかしいなって思ったんだ。でも、確かめることが出来なくて、そのままあげちゃって……ごめんね。ごめんなさい、キリヤマさん、ジン。あ、あと天羅のおじさんにも謝らないとだよね、うん。お詫びに、今度はちゃんとお店で、美味しいチョコ買うから、それで、ごめんね」
肩に掛けたショルダーバッグの持ち手を両手でぎゅっと握ったユリは俯いて、誰とも視線を合わせぬままに、口だけはすらすらと動いていく。
「あの、ユリさん」
「ちょっと待て」
「ごめんね、二人とも」
そうして、ぱっ、と顔を上げた。
眦には、つつけば割れそうな露。
だが下がり気味の眉をきっ、と上げ、同居人たるコックに叫ぶ。
「カイのバカァッ!」
流れ落ちる滴。
「カイは、カイはコックさんだから、いつも不真面目だけど、料理にはちゃんとしてるって思ってたから、だから見た目がすごくても味だけは大丈夫なんだろうなって思ってたのに、だから、……カイのバカ!」
叫びだけ残して、ユリはマンションの中へと走り去っていった。
残された男三人。
「……今日は、落ち着いてお話できる様子ではありませんので、出直します。ユリさんに、御館様も私も気にしていませんと伝えてください。全部不良コックが悪いと心得ていますので、と」
「こちらも出直そう。俺も気にしなくてもいいが、どうしてもというな二人きりでの埋め合わせに応じてやってもいい」
「……」
「で、なにやってるんですか、あなたは」
「馬鹿でグズとは、どうしようもないな」
あー、クソ。
「行きゃ良いンだろ、クソ」
「自業自得極まれりですね」
「とっとと帰れ!」
ユリには、大変屈辱的であるのだが、怒りが頂点に達すると泣いてしまう性質がある。
盛大に涙を零しながら自宅へと駆け込み、洗面所でバスタオルを引ったくってから自室のドアをばたんと閉めた。
悲しい。悔しい。恥ずかしい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
それから。
なんで。どうして。なぜ。どうして。
色んなものが後から後から湧いてきて、ひーひー言いながら、ユリはバスタオルにいくつも染みを作る。
がちゃり、と音がして、肩が跳ねる。
玄関のドアが開いた。
帰ってきた。
みし、と廊下が鳴る。ユリの部屋の前で止まる。ユリも息を潜めてしまう。
だって、どうして。
「ユリ」
……なに。
「いるか」
いるでしょ。他にどこにいるって言うの。
「さっきは、あー、なンだ」
だから、なに。
「……違ェな。チョコレートの話だな」
……そうだよ。
なんであんなことしたの。カイはコックさんじゃなかったの。コックさんって料理にプライドとか持ってるんじゃないの。材料を無駄にするようなことをしゃダメなんじゃないの。少なくとも、だって、いままでの、私の知ってるカイはそんな感じだったじゃない。それで、私も不安だったけど安心して、それで、あげたのに。だから、ああ、そっか。
カイに、裏切られて、悲しくて、つらくて、泣いてるんだ、私。
すん、と鼻が鳴る。
自覚すると、また目の前が涙で歪みだす。
だから、あまりよく聞こえなかった。
「悪かった」
そっと落とすような言葉。
滑り落ちてユリの元に届くまで、少しだけ時間がかかった。
だから、その空白を埋めるようになのか、カイはまた言葉を零す。
「二度は、ねェよ」
なにその言い方。まるで私が悪いみたいじゃん。なんか、言い回しとか。大体二度とないって、なにが、って話なんだけど。料理でふざけないってこと? それとも
「これっきりだ」
だから、なにが!
思いは言葉にはだが、ならなかった。
かわりに口をついて出たのは、
「……ほんとう?」
子供のような、そんな言葉。
掠れた呟きで、ユリ自身にも聞こえないほどだったが、カイはちゃんとそれをすくい上げる。
「ん」
一言で済ますし!
なんなの、このコック、なんなの! ちょっとイケメンだからって調子に乗って!
パタン、と音を立ててしめたはずのユリの部屋の扉か静かな音を立てて開く。
そう言えば鍵かけてなかったような。
扉の向こうに立ってたのは、バツの悪そうな顔をした不良コックで。
そんな顔をしていたのかと思うと、ユリは泣きながら笑ってしまった。
「……はー、もう」
最後になるだろう涙を、ユリはぐいぐいとバスタオルで拭う。
明日、目、腫れちゃうかな。
「カイ。ね、あのね」
なにも言わないが、微かに頷いたようで。
「三人と遊びたいんなら、私をダシにしなくてもいいのに。ちゃんと言えば構ってくれるよ?」
「違ェよ」
なんだそりゃ、とでも言いだけな顔のカイ。それを見て首を傾げるユリ。
「違うの?」
てっきり、三人と遊びたいからこんなことしたんだと思ったのに。
「じゃあ、どうして?」
「どうって、そりゃ……」
んん?
今度はカイが首を捻る。
「なんで、だ?」
「私に聞くの、それ?」
ふふ、と、また口から笑いが零れた。
後日。
天羅とキリヤマ、そしてジンホァの元には、味は抜群だが見た目はやっぱりちょっとだけいびつなトリュフチョコレートを配達する少女とコックの姿があったとかなんとか。
どう考えてもやっぱり自業自得じゃねぇか。 了。
バレンタイン、に見せかけた、これってカイさん嫉妬回なんじゃないのひゅーひゅー!という話。ユリちゃん泣かせてしまって、正直スマンかったと思っています。かわいい。泣くのかわいいよユリちゃん。
ジンホァさんとか久々すぎて一人称が怪しかったのだけれど、先に朔ちゃんがSS書いててくれたから助かりましたとかそんなこと、ある。ユリちゃんの口調もなー、気が緩むと女の子に寄ってしまうので、出来る限り女の子っぽくなく、それでいてユリちゃんっぽく、ええー、むずいー。←
朔ちゃんの投げたボールは、投げ返す用意はあるけど準備ができるかどうかはまた別の話だよね!←
※始祖の人数を七人から十一人に訂正いたしました! お詫びと感謝。
Posted on 2017/02/15 Wed. 00:31 [edit]
category: 闇の~
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カイユリ小話「湯煎と直火」
湯煎の「せん」という字、こんな字なんですねー。
-- 続きを読む --
湯煎と直火
二月の中旬が迫ってくると、やってくるのはすなわちバレンタインデーである。
「ね、夕里はどうするの?」
「どうって」
「手作りしたり?」
「教えてもらったり?」
「手とり?」
「足とり?」
「きゃー!」
「いやちょっと待とうね」
加熱していく級友たちを手で制すと少女は言った。
「櫂ってば、私がキッチン入るの絶対許してくれないから」
「じゃあダイニングでやればいいじゃない」
「リビングとか」
「寝室とか」
「お、お風呂場とか!」
「きゃー」
「面白がってるだけでしょ、きみたちは」
はぁ、とため息をつきつつも、言われてみれば一理あるかも知れない、と少女は思う。
「と、いうわけで! カーイー! 教えて!」
「……あァ?」
玄関開けたら二分もかからずにそんなことを言い出したユリに、カイはスパイスをすりこぎで潰していた手を止めた。
「ほら、お歳暮、お中元みたいなものだし。お世話になってるお礼状みたいな? そしたら手作りとかしちゃったりして。折角コックさんが側にいるんだから、教えてもらえばいいかなって!」
話が見えない。
常日頃思っていたことだが、この幼い同居人は、話の発端から結末を吹っ飛ばし、ただただ主観の感情のみだけを訴えるという傾向がある。大いに。
「何の話だ」
大抵、夕里の同居人のコックの眉間にはシワが寄っている。
大抵のことだから、実はこれはクセのようなもので、別段機嫌が悪いのではないのだと、夕里はもう知っていた。
「チョコ!」
「カカオマスを主原料とした茶色の」
二十代の青年に見えて百年を生きている彼がたまに的外れなことを言うのはジェネレーションギャップ的なアレなのか、それともただの天然ボケなのか。
「バレンタイン!」
「……あー」
「ね、だからね、カイ!」
「厨房には入れねェぞ」
「じゃあ居間でやればいいじゃん」
「そう意味じゃねェよ」
「だって! キリヤマさんとかジンとか天羅のおじさんとかにお世話さまですチョコあげたいんだもん!」
「……ほー」
果たして、その言葉が彼のどこに響いたのか、数分後にはユリは真新しいエプロンをつけてキッチンに立っていた。
ちなみに、このピンク色のエプロンは使うアテがないのにもかかわららず用意されていたものだ。
「……これ、カイの見立て?」
「スカし眼鏡」
「だよねー」
薄いピンクに白いフリルって、どれだけ夢見られてるんだろう、わたし。
ともかく。
「カイ先生! よろしく!」
「あー、まずはチョコレートを刻むンだが……包丁使うのはこっちでヤっとく。危ねェし」
「はーい」
「これを、湯煎で溶かす」
「ゆせん」
「……直火だ」
「直火! はーい!」
「ンで、それから……」
そうして、自他共に認める名コックであるところのカイ監修の元で作り上げられたのは、トリュフ、らしきもの。
「……カイ」
「あァ?」
「これ、完成?」
「初めてにしちゃ、まぁまぁなンじゃねェの?」
「そ、そうかなぁ」
なんだかすごく、ボロボロで焦げ臭くて、よく丸くなったなって感じなんですけど。
「味見できないからなぁ」
「クソ眼鏡もヤサ男も、てめェからだってンなら喜んで食うだろうよ」
そうかなぁ、とユリは思う。
なんだか言いくるめられている気がする。
「んー、じゃあ、あとアキの分もこの調子で作っちゃお」
「待て」
「なに?」
「あのチビにもやるのか」
「そうだよ。友チョコ。あと学校の友達とかにも」
「……よし。次はブラウニーにするぞ。こっちのが溶けにくいしな」
「別に、いいけど」
「ンなら、またチョコを刻んで、湯煎で溶かす」
「直火!」
「アホか。湯を張った鍋に一回り小さいボール入れてそン中で溶かせ」
「……あれ?」
14日は阿鼻叫喚だったとか、そうでもなかったとか 了。
直火でチョコを溶かして、ちゃんとトリュフになるんでしょうか……。その辺はカイさんの腕次第ってことなのかしらん。
直火組…キリヤマさん、ジンホァさん、おやっさん
湯煎組…アキちゃん、イクヤさん、ゴウダくん、クラスのみんな、サガラさん他、クウさまとかもこっち。
湯煎と直火
二月の中旬が迫ってくると、やってくるのはすなわちバレンタインデーである。
「ね、夕里はどうするの?」
「どうって」
「手作りしたり?」
「教えてもらったり?」
「手とり?」
「足とり?」
「きゃー!」
「いやちょっと待とうね」
加熱していく級友たちを手で制すと少女は言った。
「櫂ってば、私がキッチン入るの絶対許してくれないから」
「じゃあダイニングでやればいいじゃない」
「リビングとか」
「寝室とか」
「お、お風呂場とか!」
「きゃー」
「面白がってるだけでしょ、きみたちは」
はぁ、とため息をつきつつも、言われてみれば一理あるかも知れない、と少女は思う。
「と、いうわけで! カーイー! 教えて!」
「……あァ?」
玄関開けたら二分もかからずにそんなことを言い出したユリに、カイはスパイスをすりこぎで潰していた手を止めた。
「ほら、お歳暮、お中元みたいなものだし。お世話になってるお礼状みたいな? そしたら手作りとかしちゃったりして。折角コックさんが側にいるんだから、教えてもらえばいいかなって!」
話が見えない。
常日頃思っていたことだが、この幼い同居人は、話の発端から結末を吹っ飛ばし、ただただ主観の感情のみだけを訴えるという傾向がある。大いに。
「何の話だ」
大抵、夕里の同居人のコックの眉間にはシワが寄っている。
大抵のことだから、実はこれはクセのようなもので、別段機嫌が悪いのではないのだと、夕里はもう知っていた。
「チョコ!」
「カカオマスを主原料とした茶色の」
二十代の青年に見えて百年を生きている彼がたまに的外れなことを言うのはジェネレーションギャップ的なアレなのか、それともただの天然ボケなのか。
「バレンタイン!」
「……あー」
「ね、だからね、カイ!」
「厨房には入れねェぞ」
「じゃあ居間でやればいいじゃん」
「そう意味じゃねェよ」
「だって! キリヤマさんとかジンとか天羅のおじさんとかにお世話さまですチョコあげたいんだもん!」
「……ほー」
果たして、その言葉が彼のどこに響いたのか、数分後にはユリは真新しいエプロンをつけてキッチンに立っていた。
ちなみに、このピンク色のエプロンは使うアテがないのにもかかわららず用意されていたものだ。
「……これ、カイの見立て?」
「スカし眼鏡」
「だよねー」
薄いピンクに白いフリルって、どれだけ夢見られてるんだろう、わたし。
ともかく。
「カイ先生! よろしく!」
「あー、まずはチョコレートを刻むンだが……包丁使うのはこっちでヤっとく。危ねェし」
「はーい」
「これを、湯煎で溶かす」
「ゆせん」
「……直火だ」
「直火! はーい!」
「ンで、それから……」
そうして、自他共に認める名コックであるところのカイ監修の元で作り上げられたのは、トリュフ、らしきもの。
「……カイ」
「あァ?」
「これ、完成?」
「初めてにしちゃ、まぁまぁなンじゃねェの?」
「そ、そうかなぁ」
なんだかすごく、ボロボロで焦げ臭くて、よく丸くなったなって感じなんですけど。
「味見できないからなぁ」
「クソ眼鏡もヤサ男も、てめェからだってンなら喜んで食うだろうよ」
そうかなぁ、とユリは思う。
なんだか言いくるめられている気がする。
「んー、じゃあ、あとアキの分もこの調子で作っちゃお」
「待て」
「なに?」
「あのチビにもやるのか」
「そうだよ。友チョコ。あと学校の友達とかにも」
「……よし。次はブラウニーにするぞ。こっちのが溶けにくいしな」
「別に、いいけど」
「ンなら、またチョコを刻んで、湯煎で溶かす」
「直火!」
「アホか。湯を張った鍋に一回り小さいボール入れてそン中で溶かせ」
「……あれ?」
14日は阿鼻叫喚だったとか、そうでもなかったとか 了。
直火でチョコを溶かして、ちゃんとトリュフになるんでしょうか……。その辺はカイさんの腕次第ってことなのかしらん。
直火組…キリヤマさん、ジンホァさん、おやっさん
湯煎組…アキちゃん、イクヤさん、ゴウダくん、クラスのみんな、サガラさん他、クウさまとかもこっち。
Posted on 2017/02/13 Mon. 23:14 [edit]
category: 闇の~
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